ネタバレあり

「最初の晩餐」

なかなか。

話はいい。
料理を脇役としていくのもいい。
俳優もいい。

なのに、何故か、間延びしてしまう。
入り込めない。

それは、自分が、普通の家に育ったからなのか
普通ってなに?と聞こえてきそうだが、
ここでいう普通は
親は離婚してないし、兄弟が連れ子でもない
ということ。

普通じゃないなら異常か、という声も聞こえてきそうだけど、そういう解釈はしないで欲しい。

なにせ、自分は離婚してるから
離婚してる自分は普通じゃないと思っているから。

映画の話に戻るけど
ストーリーが良くて、山登りもしてたから、色々わかる部分もあるんだけど、
先読みさせすぎるというか。
最初は、典型的な自己紹介ストーリーから始まって物語の中で関係性が紹介されていく。
まず、ここいらが上手だなと思う反面、回りくどくてわかりづらい。
父親がほとんど喋らず、ミステリアスな雰囲気を表現しているが、それはきっと、世間に対して、普通じゃないという引け目みたいなものを感じていたからではないだろうか。
同じ男として、夫がいる女を奪ったわけだから、ちょっとどうかしてるぜ、とは思う。
女、だけならまだしも、母でもあるわけだから、
相手の夫からしたら、
息子と妻を同時に失ったわけ。
そんなの、自分の子供に言えるわけない。
自分の子供に言えるわけないことを、やっちゃいけないよ。
正論とか、詭弁でなく、これやっちゃぁおしまいよ、ってことだと思う。
子供に罪はないのに、家族ってわかんねぇ、って大人になってまで息子に悩ませちゃうわけだから、これは父としてどうかと思うこと。
ただ、自分も普通に育ったはずなのに、離婚してるくらいだから、親のせいではないとは思うけど。
でも、その後ろめたさは、死ぬまで抱えて生きていこうっていうのが、ひしひしと伝わってくる。
子供が食べたいものは全部好きじゃないものだけど、子供のために何も言わずに食べていたわけだ。
オヤジのそういう姿が、死ぬときになってわかるなんて、オヤジってやつはそんな生き物だな、と思ってしまう。
そして、女ってのは随分勝手な生き物だなあ、とこの映画を見る限りは思ってしまう。

結果としてね、1人の男を自殺に追い込んだんだから。
息子のお父さんを奪ったわけでしょ

そんな複雑な生き物としての役を窪塚洋介くんは上手に演じてるなぁ、と思った。
元々の彼のそういうミステリアスというか、複雑な部分が演技ではなく、自然と映っただけかも知れない。

どうしてもイマイチしっくりこないのが
タイトル。
最初の晩餐、

おはぎ
が連動しないから、気持ち悪くて仕方ない。
せっかく泣けるシーンなのに
これはタイトルを間違えたのでは?
と思ってしまった。

全体としていい映画だし、
ミステリアスを全面に出して
全体のだるさを無くせばもっと見る人は増えたと思う。


また、別の映画をみよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?