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YouTube vs IGTV。動画版図書館を「彩る」ならIGTVが優勢と見る。

動画版図書館をまっしぐらに目指す、ユーチューブ。検索マーケットをがっちり掴み、先行者優位のストックレバレッジを効かせている。

しかし、「その図書館が図書館たるか」という視点で話をすれば、まだ未完成な部分が多い。それは、図書館を彩る「書棚の種類」がまだまだ少ないからだ。ここにIGTVが、ユーチューブを超えるポテンシャルを感じる。

両者ともに、芸能、漫画、小説コーナーはとても充実している。ジャンキーな本やクリエイティブな本が多く並ぶなか、実用書や学術書はからっぽのコーナーが目立つ。これらの書棚を彩るクリエイターを、自然発生的にジェネレートする仕組みを作り込めるかが鍵だ。

© osa

なぜ、この「動画版図書館」には、実用書や学術書が少ないのか。

エンタメの動画プラットフォームにおいて、実用書や学術書は求められていない。しかし、図書館なら話は別だ。大学図書館に入り浸ったオタクとして言わせてもらう。何か人生を変えるヒントを得たい時に、漫画しか並んでいない図書館はしんどい。

なぜ実用書ジャンルが少ないのか。答えはシンプルだ。コストがペイしないからだ。

筆者は、実用書ジャンルを作り込むユーチューバー(エクセルの使い方を解説している)のひとりだ。が、登録者が20,000名を超えても、これだけで食べていくのはなかなか厳しい。専業主婦の妻の食事と、子どものミルク代を稼ぐには程遠い。貯蓄をきり崩すほかない。ふぅー。

話がそれたので戻そう。なかには、コストをペイする場合もあるが、それでもリソースを振り分ける優先順位が低いことに変わりはない。

魅力的なマーケットだが、動画制作コストが高すぎるのだ。コストが高い限り、予算は他のマーケティングチャネルに振り分けられる。実用書のコンテンツメイクをするプレイヤーの多くは、すでに高給を得ている職についていたり、または仕事の虫になって四六時中オフィスにこもっている可能性が高く、その貴重な時間資源を動画制作にあてる人はめったにいない。無意識的にみな、家族や恋人、友人と過ごす選択をする。

あえて、自分の顔をさらして、属人的なサービスを作り込むのは理にかなわないと考えるレイヤーが、ビジネスマンの大多数を占める。彼らはみな忙しい。筆者はひとり、逆張りのクレイジージャーニーを楽しんでいる。

ユーチューブより、IGTVの方が少し楽かな。

クレイジーなやつは放っておけばいい。クレイジーなやつは勝手にコンテンツを作る。

大切なのは、クレイジーじゃない人々から、図書館を彩るコンテンツを喚起できるかだ。この点で言えば、IGTVは、ユーチューブより制作コストが低く、コンテンツを幅広く生み出す可能性を秘めている。

インスタグラムのCEO、Kevin Systromが6月、IGTVのリリースにあたり語ったように、モバイルファーストでシンプルなデザインを持つIGTVは、動画制作の観点から見てもかなり魅力的なのだ。

https://www.instagram.com/tv/BkQjCfsBIzi/

疑いの余地なく、ユーチューブは素晴らしいプロダクトである。だから、わたしはユーチューバーなのだ。

しかし、隣の芝生は青く見える。動画時代を生きるソーシャル世代のクレイジージャーニーには、寄り道がつきものだ。

そう。彼らもわたしも道半ば。何が起こるかわからないこの旅に、図書館にいくときのワクワク感を重ねてしまう。それがオタクだ。

いつサポートするの。いまでしょ。