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生き方の上手な友達の、真似をしてみる
相談できるような、深い関係の仲の友達なんて、私にはいないと思っていた。
友達、恋人、家族に、
悲しいときに電話するとか、
重要な相談に乗ってもらうとか、
そういう記憶がほとんど、ない。
それでも、私にこんなメッセージを送ってくれる友人。
「今、暇だったら5分でいいからちょっと私の愚痴を聴いてくれない?!」
電話口で聞きつつ、私が頭で考えていた半分は頼られてうれしいなぁってことだった。
1時間後には一緒に焼肉をつついていた。楽しい思い出。
その後しばらくして、
私は人間関係に気を揉むことになった。
些細なことだったけど、ひとりでは答えが見えないため、同じ友人に、彼女の真似して連絡をしてみた。
「ハイパー暇だったらでいいから電話してほしい、しょうもない話題だからだめなら全然大丈夫!」
この文を書き起こすのに10分。
即レス10秒。
げらげら笑いながら私の話を聞いてくれ、これまた1時間後には私の家に発泡酒を持ち込んできてくれた。
また、しばらくして。
この話題は妹にしかできないな、と思う出来事があった。
かしこまって電話をしたいなんて、言ったことがない。
それでも、言ってみるだけ、お願いしてみるだけ、あの子の頼り方をマネして。
電話に応じてくれる妹。
「お姉ちゃんが電話したいとか言うからびっくりした、珍しいね」
といいつつも、2時間近く私達は話をしていた。
「こういう話って、友達で話せる人いないよね、兄弟姉妹だけだよね」
「わかる。他の人に話すようなことでもないよね」
どちらも、どうしようもない私だけの鬱憤だったものが、幸せな記憶に昇華した。
居てくれてよかったと思える人が身近にいたことへの感謝と、それに気付けた幸せ。
そして、もしかするとそれは、相談に乗った側にも同じように、なにか「良い感情」を与えられたのかもしれない。
私が友人の相談に乗ったときのように。
頼られて嬉しいなあ、を分けてあげられるかもしれない。
だから、こんなこと相談して迷惑じゃないかな、は考えすぎないでいいんだと思った。
相手選びは優しさだけど、選びすぎるのは相手を信じていなさすぎ。
それから、
私がこうして誰かに電話して話を聴いてもらう、なんていう大技ができたのは、まぎれもなく友人が「前例を見せてくれた」からだ。
そっか、こうやって人を頼っていいんだ。
頼られても悪い気はしないんだな。
そう学んだし、何より、
「この人は私が何かあったときに話を聞いてくれるかもしれない」と感じた。
だから、頼られたいな、あの人の役に立ちたいな、と思ったら、まずはこっちがお世話になるって、実はとっても有効なのではなかろうか。
借りを作っちゃえば、弱みを握られちゃえば、私は今困っている!あのときの貸しがあるだろう、返しな!って、言ってもらいやすいじゃん、と思う。
まだまだ勇気はいるけれども、こうやって人との本当の関わりってやつをしていけたらいい。
自分自身を勝手に一人ぼっちにしないで、生きていけたらいい。
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