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社会悪の病理は目の前の犯罪にあるわけではない

タイトルをご覧になってどういうことだと思われた方へ、これから少しだけ説明しよう。

私が書き記す発端となったツイートがある。それがこれだ。

https://twitter.com/alicearisima/status/1198942933069660160?s=21

実際、「成人男性から金を騙し取った女子高生」には罪があり、「女子高生と性的関係の無い健全な交際をしてる成人男性」は罪がない例だろう。だから上のツイートは、糺す対象を間違えている世の中は一度リセットした方がいいと結論付けている。
しかし、その結論は全くの誤謬であるという他ない。何故か。
「女子高生と性的関係の無い健全な交際をしてる成人男性」に怒った人たちは、事実関係
を誤ったと思える。では何処からその怒りが来たのかと言えば、今日に至るまで、世の中に健全でもない、女子高生と大人の淫行事件が蔓延っていて、その関係を見るとそういった背景を連想してしまうからだ。なら、結果的に事実誤認であろうと、その怒りに辿り着く過程は決して不健全ではないと思うのだ。
「成人男性から金を騙し取った女子高生」はそれ単体で罪だ。しかし既に、成人男性と女子高生とそのようなトラブルが起こる事自体が、危険視される可能性が高い関係を結んでいる証拠であり、歪んだパワーバランスを発生させている状況だということを、上のツイ主のような人は理解しているのだろうか。
そして社会の病理は女子高生が金をふんだくることではなく、この大人と女子高生の関係こそにある。と、理解されているのだろうか。
ここまで読まれた方は、「社会をリセットしたい」の結論のおかしさをお分かり頂けたのではないだろうか。

「成人男性から金を騙し取った女子高生」

「女子高生と性的関係の無い健全な交際をしてる成人男性」

どちらに罪があるのかは小学生でも分かるし、咎めることは簡単だが、社会悪の病理はどちらに感じるのかをもし問われたとき、
目の前の罪状を識別したときとは逆の結論が出てくる。

「病理は女子高生と成人男性の関係にある」

言語化できまいと、間違った状況で発揮されようと、人々がそれを感じている世の中は健全な証拠だ。
「世の中をリセットすべき」などという結論は完全に問題の本質から逸れていることを
お分かり頂けただろうか。
社会をより良くしていく為に必要なのは、病巣への着眼である。
安易な理論で世の中をリセットしたいなどという結論に至ることがないよう、常に物事の背景に主眼を置くことを意識されるといいかもしれない。





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