わらしべ長者とエフェクチュエーション

エフェクチュエーションという聞きなれない言葉に最近出会った。きっかけは大学の同窓会の定例講演会。経営学部の先生の「カイゼンとエフェクチュエーション」という演題での講演があるという。エフェクチュエーション???なんやそれ?というのが率直なところだったが今の時代、スマホでググるとすぐに見つかる。早速、参加申し込みのメールをした。ところがこのコロナ禍の拡がりである。ほとんどがじじいの参加者で私など基礎疾患ありまくりで新型コロナに感染したらいちころ。。。そして先月生まれたばかりの孫と娘が滞在中ということで出席はあきらめ、オンライン参加することにした。先生の講義は非常に分かり易く、話題はエフェクチュエーションというよりはトヨタはなぜこのコロナ禍の中で黒字を確保できたのかという視点からトヨタが他の起業と決定的に違ういくつかの事例を具体的に説明いただいた。後で見直そうと思い、録画していたのだが何故か音声が全く入っておらず、。。。。と沈黙。さて掲題のわらしべ長者だが、言わずと知れた日本昔話で一本のわらしべから次々と物々交換を繰り返した結果、大屋敷に住まう長者になったという話。これがエフェクチュエーションの肝ではないかと感じた。つまりわらしべ長者は最初から長者になることをイメージしていたわけでなく、自分の持てるものを最大限に活用し、自分のコネクションを200%使って次々によりレベルの高いステップを昇っていき、リスクテイクして一歩一歩勇気をもって踏み出していった結果、長者にまで昇りつめたという物語である。エフェクチュエーションは今今の自分の持てるもの、得意な分野に特化し、コネクションを最大限に活用しながら自分が持っていないものを手に入れていくわけである。何もすべてを自分が持つ必要はなく、そこには経済学でいうところの「比較優位」の考え方が色濃く出ているように思う。
その枠組みの中で自分が取れる最大限のリスク(投資)を認識し、その範囲で事業を進めていく。これからの真のセカンドライフを活き活きと過ごすためのヒントになる講演であった。

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