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将棋棋士は ライオン

私は将棋棋士が好きだ。
その存在に興味を抱いたのは、
羽生善治九段が七冠を制覇した時からだから、
かなり長い。

どこが好きかと言えば、その希少性、その気高さ、
ひたむきさなど、挙げればどんどん出てくる。
しかし、最大の理由は、四段の新人からトップクラスまで
彼ら一人ひとりがオンリーワンで、極めて個性的だということだ。



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写真は、OSYO禅タロット 大アルカナⅩⅤ 
   CONDITIONING(条件付け)

  羊の群れの中の、一頭のライオン。
   このライオンは羊に育てられたため、
  自分は羊だと思い込んでいて、
  羊らしく群れの中で生きようとしてきた。
  しかし、ある日、水に写る自分の姿を見て、
  自分がライオンなのだと知る。

「らしさ」とは?
「個」であることとは?
このカードは、それらのことを考えさせる。

ところで、
A級棋士、佐藤天彦九段の髪が赤い。
いつから赤くなったのか、
そして今日も赤いのか、
それは分からないけれど。

私がその姿を初めて目にしたのはテレビのNHK杯で、
彼が解説者として出演した時だった。
挨拶をする彼の赤い髪はふわふわと揺れていて、
私は思わずムンクの叫びのポーズをとっていた。

その少し後、新聞のA級順位戦観戦記に、
彼の対局が載った。
観戦記者の方が私と同じようにムンクのポーズをとったかどうか、
それはさだかではないけれど、

相当びっくりされたことは確かなようだ。
驚きと共に「多様性の時代か」というコメントが添えられていた。

将棋棋士は、皆、ライオンだ。
その中に髪の赤いライオンが居たとしても、
決して驚くことではないだろう。
多様性は個性の延長線上にある。