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手相シリーズ/左右の手相が違うとき


こんにちは。


こんな質問をよく受けます。

「手相は、右手と左手、どちらを見るんですか?」
あるいは
「右と左、手相が違うような気がするんですが……」

両手を開き、左右の手相が違っていれば、誰もが抱く疑問ですね。

【どちらの手を観る?】
私は、鑑定においては必ず両手を観ます。
両手の相が異なる場合でも、左右それぞれがその人の手相であり、
両手ともにその人そのものを表しているからです。

しかし、
仮にどちらか片方を選択せざるを得ないのならば、
両手の指を組んで、親指が下にくる方の手を選択します。
これは脳の働きに関連して、積極的な手は組んだときに下にくることから、
積極的な手を「主」として観るためです。

【左右の手相が違う】
これは、程度の差こそあれよくあることで、
決して珍しいことではなく、基本的に心配は要りません。
比較的多いのは次の二つのパターンです。

1.生命線と知能線の始点が
片方は離れ型、もう一方はくっつき型

このパターンは、大胆でやんちゃな人と、慎重で控えめな人が
一つの身体に同居しているようなものです。
何かを決断するとき、間髪を入れずに飛び出そうとするのを、もう一人が
「待て待て」と止めるーー
大胆派と慎重派のせめぎあいですが、
実践上、勝るのは大胆派のようです。一旦は慎重になったものの、やはり、
「えーい!」と行動に出てしまう、というわけですね。

2.感情線と知能線が
片手はくっつき(マスカケ)、片手は離れている。

このパターンも珍しくありません。「片マスカケ」と呼ばれるもので、
子供の頃には両手共にマスカケ(感情線と知能線が重なり、一本の線になっている)だったものが、成長とともにいつしか片手のみになった、というケースが殆んどのようです。
特徴は
マスカケ線の持つ特性→大胆で物怖じしない性格、直観力、ひらめき などが、やや中和され、穏やかな一面をも併せ持ちます。
しかし、
ここ一番、という場面ではもう一方の手を押しやり、マスカケ線の強烈な個性が顔を出します。


このように、左右の手相が違うのは珍しいことではなく、片方の手が持つマイナス面をもう一方の手が補う,など、プラスに作用することも多いのです。

しかし、
極端に違っている場合は、少し注意が必要です。
実際の鑑定例からお伝えします。

左右の手相が極端に違う】

【エピソード:x氏】  約10年前のお話です。
その日、私は横浜の鑑定館に出演していました。
最後の予約鑑定が少し長引き、既に閉店時間を過ぎていました。
片づけをしていると、
「あのー……」と、男性が入ってきました。「もう終わりですか?」
閉店時間はとうに過ぎていましたが、
外の明かりを消さずにいたのはこちらの落ち度です。
30分まで、とお断りした上でお入りいただき、鑑定をスタートしました。

x氏は当時30代半ばです。
今後の事、特に仕事について観て欲しい、と言います。

早速手相を観ると、
右手と左手、それぞれが、全く違うのです。
共通しているのは全体の大きさと指の長さくらい。

右手は
ひと言で表せば成功者の手
です。
横に長く伸びた知能線は明晰な頭脳を表し、
くっきりと力強く刻まれた運命線、太陽線、財運線が、仕事面での成功を物語っています。
生命線の途中から上に真っ直ぐ伸びた開運線は、もう一本の運命線となっています。
思わず見惚れるほどの、見事な手相でした。

一方、左手は
ひと言で表せば 「夢追い人」の手。

知能線は緩いカーブを描いて長く下降し、小指の下辺りまで達しています。
典型的な「文系」、あるいは「ロマンティスト」の線です。
それだけでは驚かないのですが、
この手には、「縦の線」、つまり財運線、太陽線はおろか、運命線も、努力線も、全く無いのです。
左手が表すのは
現実には一切目をくれず、夢と理想だけを追い求める「夢追い人」なのです。

「お仕事は?」と尋ねると、
「IT関連の、小さな会社をやっています」
仕事は比較的順調なのだけれど……「このままで良いんですかね?」と尋ねるx氏に、
「右手は理数系の実業家、左手は夢を追う自由人ですね」私がそう言うと、
「どちらが私でしょう?」彼が尋ねます。
「どちらもあなたご自身です」

彼は「なるほど」と頷き、
実に愉快そうに笑いました。

※この様に、左右の手相が極端に違うときには、
普段は眠っているもう一つの個性を無視せず、時にはその個性にも出番を与えてあげると良いでしょう。
さもないと、ストレスにより、二つの個性が共倒れになる事もあるからです。

x氏にはその点をアドバイスとして伝え、お別れしました。
彼はその後、年に数回の長期休暇を慣例とし、時には行く宛の無い旅を楽しんでおられるようです。

x氏の経営する企業が、「小さな会社」でないことを私が知ったのは、この出会いから数カ月後のことでした。
今はもう、良い思い出となっています。