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【4】年収290万の派遣社員、挙げ句の果てに子ども部屋おじさん(43)が結婚した

前回までのあらすじ

コロナをきっかけに移住、転職、マッチングアプリを同時進行で行っていた私は、上記二つは簡単に決まった。そして最後に残る大魔境・マッチングアプリの海に放り込まれるのであった。

使うアプリを間違えて

今だからわかるが、最初に某Tを入れてしまったのは悪手だった。私が希望するのは、山に一緒に登れる方。その界隈において、全く需要が違うものと気付くのに時間は掛からなかった。

後学のためにペラペラと左にスワイプする。人相と文章の照らし合わせ。大体の傾向は掴んだ。

男性はイケメン、高身長で勝てる場所だろうから、使う人によっては物凄くいい狩場、もとい、出会いの場になると思う。男性は性欲、女性は食欲を存分に満たせていいんじゃないか。素直な自分をさらけ出すことができて羨ましい。

私は枕を濡らした。

人のいないところへ

その次にインストールしたのは某P。コミュニティ機能があって、趣味嗜好を検索できるのは時間のロスがなくていい。わざわざ興味のないものを巡らなくてもいいのは、私にとって非常に都合がよかった。

色々なコミュニティを調べることで、アプリの傾向が知ることができる。

「年上彼氏×年下彼女」

これぞ大魔境だ。字面からひしひしと伝わる。こんなことをアピールして何の得になるのだろう。願望があるにしても、もう少しスマートなやり方があるだろう。

参加者の多いところは避けるに限る。多数派が占めるところは、話を深掘りしていくのに時間が掛かりすぎる。

「アウトドアが好き!」

これは対象がぼんやりしているので、会話が続かずブロック、の流れが多いんだろう。実際のところ、そうだった。(それ以外の要因があったかどうかは知る由もない。いや、知りたくない。)

アウトドアと言っても、何もかも用意されたグランピングと、全てを自力で対処する山登りとではスタートからして違う。

さらに山登りのコミュニティと言っても千差万別。断崖絶壁でスリリングなものを好む人、テントを担いで稜線を何日もかけて歩く人、日帰りハイキングを楽しむ人。十人十色だ。私自身のスタイルとしては、二番目が当てはまる。

ただ、装備も大がかりなものであるし、自身の体力や知識、そして経験が問われるものでもある。当然ながらアプリ内でやっている方も少なかった。

その少数派でさえ、大都市圏には分母で敵わない。地方となると極端に減る。改めてマッチングさせることの難しさを知った。

そこで、アピールポイントの主軸を山登りに据え、その他の趣味も適度に絡めつつ、プロフィールのブラッシュアップを行うのであった。

最悪の場合、山以外の接点で繋がればいい。山に理解のある人であれば。

つづく

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