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アシスタント時代

井の中の蛙。まさにそういう立場の人間でした。高校時代まで自分の漫画って上手いと思いこみ、出版社に持ち込むも撃沈。そこで目にしたプロの原稿は光り輝いて見えました。それでも漫画家になりたい気持ちに変わりはなく、高校卒業してすぐにアシスタントになりましたが、私は雑用係りで入れたような感じです。それだけ画力が足りてない状態で、1年経ったらクビ、学校へ行けと言われました。

その1年間の間に先輩たちの技術を真似て、思考を盗み、1年経った頃にはちょっとだけ描けるアシスタントに成長してました。それでも約束なのでグラフィックの専門学校(当時は漫画の専門はなかった)に入ると、、教わる事が全てプロの現場で実践してきた事ばかり。何の意味ないなと半年で辞めて、また元の職場に復帰。

戻ったら先輩たちから、下手になったなと揶揄されました。

それだけプロの現場は緊張感が違います。学校の課題をやるような気持ちではなく、もう自分の描いた背景が雑誌に載る、というだけでも責任感ものしかかってきます。学校へ行っていた何の責任感もない半年間がすごくもったいなかった。

お金払って学ぶか、お金もらって学ぶか、どっちがいいかと聞かれたらもらう方がいいですねw

とはいえ先に述べたように、アシスタントは学ぶ場所ではありません。盗む場所です。先輩たちは親切にいちいち教えてくれません。仕事中なのですから当然。ヒントはくれる事はありますが。画力の向上というのは、まず共同生活で、コーヒーくれと言われたら、このタイミングならブラックだなとかミルク多めだなとか、思考を同調させるような感じで盗みまくりましょう。自然に背景の処理も、この人だったらここはもっと濃く。ここはもっと白く。と背景も似ていきます。

もちろん学校にも利点はあります。友達が出来る、アルバイトも出来る。恋愛も、、出来る、、かもしれない。出来なかったが(^◇^;)私は中国で漫画セミナーに呼ばれて教えていますが、中国人と日本人の漫画環境が違う事をご理解ください。中国は高校まで勉強一色で、クラブ活動もなく、漫画を楽しむ時間もない。大学に進学してから漫画を描き始める人が大半です。それに比べて日本は小学生の頃から、親に怒られようが先生に怒られようが、隠れて漫画を読んだり描いたり出来る環境です。そのために自分の漫画を人に読んでもらう楽しさも分かっています。どうしたらもっと笑ってくれるか。どうしたらもっと驚いてくれるか。そういうサービス精神が子供の頃から備わっているはずです。中国人の生徒は、その部分がスッポリと抜け落ちていて、自分が楽しめればいいと思って描いている人も多いです。また学んでから描くという人も多いです。漫画ってそういうもんじゃないですよね。

ヤーシャン漫画セミナーは、Amazonで3話まで無料公開されています。このような画力が全くなかった私がプロになり、そこで培った経験なども描いてますので、是非漫画家志望者の人に読んでほしい作品です。

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漫画家志望者に向けた厳しい言葉を投げつけまくる内容のコラムが多いですが、厳しいプロの世界だからこそ甘い言葉は言いません。よかったら是非サポートお願いします。