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映画見聞録 遊星からの物体X

今回は遊星からの物体Xのお話。


まずはあらすじを紹介、


南極で発掘されたあらゆる生物と同化し地球侵略を目論む醜く脆いキングオブ映画美術な地球外生命体を、圧倒的火力の備品を持つ容赦なき南極調査隊達が焼き払うSFホラー。


前回紹介したゼイリブで主人公と長い殴り合いを繰り広げたフランク役のキースデヴィッドが相変わらず血の気の多いキャラクターを演じているので、是非ともグラサンレスリングファンの方は併せて楽しんでいただきたい。

TheyでもThingでも何でもええわ…

私自身何だかんだ初めて観ましたので話の時系列がめちゃくちゃになってるかも知れません。ご了承を!
最近はそんなに中身の無い映画を飲みながら観まくっていたので、この映画はもっと集中して観るべきでしたね。色々と消化不良を起こしてしまいました。
しかし古い作品だけあってネットで色々な考察がてんこ盛り。それらを漁って更に楽しめたのでまたじっくり観たいと思います。

さてさて早速感想を述べていきましょう。

まずは何と言っても卓越した特殊造形。最近ではすっかりCGに予算もスタッフも持っていかれた特殊造形がこの映画ではコマ撮りされることもなく繊細かつ生々しく動いてくれます。巨匠ロブボッティン、スタンウィンストン手掛ける特殊造形はやはりここで説明するよりも是非本編で動いてるところを確認していただきたい。

怖いのは怖いんですけど、普通にスゲーってなります。お化け屋敷で出てきたら美術館並みにじっくり鑑賞してしまいそうな程。そんぐらい素晴らしい。


またキャラクター達が平気で解剖してるのもさすが調査隊というか、既に気が狂って熟れちゃってるように見えますね。怪物の脚をペキッと折るシーンの無心感はまさしくです。

焼いたらピギーッ言うんですけど

何気に内臓とかも普通に採取したりしてるのでモツ鍋も行けるぜぐらいの勢いがあります。

煮込んでもピギーッ(以下略

肝心の調査隊と怪物の戦闘、緊張感ある割にすごい呆気ないです。だいたい焼くか爆破で倒せるんですが、基地には無駄にバーナーと爆薬があります
兵隊でもない調査隊達のまさかの戦闘力。
どう考えても相手が悪過ぎる…。

※これまたどこぞの映画のようにどっちが被害者かわからなくなりますね。

要するにこの映画の怖い所はもっと違うところにあるんです。すなわち人間です。

仲間達がどんどん同化されもう見た目では誰が敵で味方か分からない。一人ずつ仲間の姿をした怪物を自らの手で焼き払っていく。次第に明らかになる怪物の生態とそれに応じて先手を打つ怪物。次第に追い詰められ生存者達が疑心暗鬼になり、互いに殺意を向けるようになる。

この演出がズバ抜けてるんです。

あと、こういう閉鎖空間かつ極限状態を描く作品を観る上でもっともハラハラするのは地味にキャストの演技力

発狂ホラーの金字塔「シャイニング」は監督がキャストをリアルに追い詰めてまであの演技をさせた程です。

映画ファンとしてはちゃんと狂ってくれよと観るわけです。

そんなニッチな期待に誰が応えて…




「俺だよ」


そう言えば彼がいました。
ゼイリブでグラサンレスリングを繰り広げた
我らがフランクです。


彼は先述の通り今作でもやたらと血の気の多いキャラを演じています。
ちょっと長椅子に縛られちゃうけど、シャイニング顔負けの斧演技、バーナーを持てばいつでも燃やすぜと言わんばかりの殺意を疑わしき仲間に向けてくれます。
その様はまさしくポジティブ&アクティブ。
正直狂ってるのか真面目なのか、際どいです。

とりあえず彼が長椅子で縛られながら絶叫するシーンは是非観ていただきたい。


ただ、僕的に1番狂ってると思うのは
冒頭で執拗にワンコを付け狙う映画史上最もポンコツなスナイパーです。

最期の一撃は 切ない


弾が当たらないのは当たり前、
何故かアメリカン太ももには綺麗に命中、
画面から見て手前に投げた爆薬は明らかに画面奥の方で起爆する超魔球の持ち主。
2塁側に投げた牽制球でヘリ諸共仲間を爆破。そんな劇中最強のボケをかましたスナイパーは最期、拳銃で左目をスナイプされて死亡

ね、切ないでしょ?

とにかくこんな鈍臭いスナイパーは今まで見たことがありません。

地味にそのスナイパーとワンコがきっかけで物語が始まる訳ですが、スナイパーは南極生活で精神異常を起こしたと南極あるある的に処理されたり解剖されて特にクスリとかやってないねとか言われるしで散々な扱い。

(かつて日本のテレビドラマでは遠距離からショットガンで狙撃する名手が登場していましたが)

(よく見たらグラサンかけてますねぇ。)


比べ物になりません。


ワンコもワンコで弾丸は躱すわヘリで片道一時間のところから走って来る謎の持久力も兼ね備えてるわ、ただの犬では無いな



脱線してきたので以上、遊星からの物体Xのお話でした。

特殊造形、心理描写、キャストの演技、全て間違いなく見応えある映画です。

こちらは現在NetflixやAmazon prime等で視聴できます。

リマスターされた遊星からの物体X、是非是非ご視聴願います。



p.s これもゲームあるっぽい


記 おしるこ

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「インテリチックにゴミみたいな文章を」 がモットーです。よろしくお願いします。