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老若日記-その23-いも色のお婆さんたち

いも色を好む女性高齢者

私は、神奈川県の田舎。藤沢に住む30代の女性です。
私が通うジムには、高齢者がとても多いです。朝オープンと同時にジムに向かうと、更衣室には立って靴下を履けない高齢者が9割を占めています。

そんな高齢者に共通点があることに気付きました。
皆さん、「いも色」のファッションアイテムを身に付けている確率が高いと。
先ほど、トイレですれ違った「いも色」のカーディガンを羽織った女性。
洗面台にいた「いも色」のパンツを履いた女性。
あれ?私のロッカーの下を使っている女性は「いも色」のリュックを背負っている。
今日のジムは「いも色」のドレスコードでもあったのかと思いました。

高齢者のファッションにかける金額

高齢者の女性はファッションにどれくらいの金額をかけているのでしょう。

シニアのファッションに関するアンケート調査(アスマーク調べ)
出典:ASMARQ

この表から1ヶ月に20,000円〜30,000円ファッションに使っていることが分かります。
「意外と高齢者の皆さん、買っているな」という印象を受けました。

私は、1ヶ月に0円のときもありますが、多くても10,000円ほどしか使いません。
その内訳は季節的なものが多く、冬はヒートテック、夏は汗を吸収する肌着と行った具合です。
数千円のトレーナーですら数年着用し、スニーカーも何度も洗い、最低3年は履いています。

昔は、ブランドのバッグやロゴの入ったトップスが欲しく集めていた時期もありましたが、そんな高額なファッションアイテムに魅力を感じなくなりました。
コロナの影響や私を取り巻く環境に変化があり、価値観に変化が起きました。
このロゴ入りトップスを買っても着ていく場所や自粛によって外に出るタイミングがない・・・
そもそもこれは誰のために高いお金を払って買ったの?という疑問を自分に投げかけて気付きました。
これは「誰かのため」に買った高額ロゴ入りトップスだ、と。

そんな気付きもあってか、今の買い物をするときの優先基準は流行り廃りなく何年も着ていられるかを重要視しています。
この季節に応じた、数年着ることを想定して買い物を行っていると、毎月そんなに散財はしません。

女性が1カ月に使うアパレルショップでの洋服代は?
出典:ウィルオブスタイル

では、高齢者が月に20,000円〜30,000円消費している内訳は何でしょうか。
商店街の高齢者向けブティックには、ライオンの顔面がプリントされたトップスや、動きやすそうなスパッツとデニムのあいだのような履き物、ハチが寄ってきそうな派手な花柄など奇抜かつ個性的な商品が並んでいます。

確かにこれらの値段は高いです。
以前、興味本位で商店街のブティックに入り、値段を確認したことがあります。
こんなテロテロのトップスが8,000円もする・・・高齢者のファッションはもしかしてお金がかかる?
この記事を読んでも高齢者のファッションにはお金がかかると認識させられます。

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私は祖母と同居していますが、着る服は母が買ってきているので、自ら選ぶことはしていません。そんなアナログな家庭がある一方で、高齢者も自身でネット購入する時代になりました。

インターネットショッピングの利用状況(平成27年)
出典:総務省

60歳以上の70%がネットショッピングを利用していることに驚きました。
正直、40%もいればいい方かと思っていました。

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増えるネット利用 シニア世代が今、求めるモノ
出典:Intage知るGallery 生活者のいま、マーケティングの明日が見えるサイト

上記の資料からシニア層のサイト利用状況をみると、ポータルサイトが1、2位を占めていますが、3位には楽天市場がランクインしています。
私が想像していたのは老眼鏡を使い、スマートフォンで電話とメールしか使っていない高齢者の姿でした。
それはそれで可愛い姿でもありますが、時は流れ、高齢者もITスキルを上げていたのだと実感し、なんだか寂しい気持ちになる記事でもあります。

介護の負担を楽にする洋服を買うならここ!
出典:おしゃれなシニアのファッション通販G&B

こちらは介護用に作られた服です。
ボタンがマグネットになっていたり、マジックテープが施され、手先の自由が制限される高齢者にとっては画期的なアイテムです。
確かに、着る本人もそうですが、介護する側にとってもトップスの着脱や、トイレの際にはフォローもしやすいパンツだとお互いにストレス軽減に繋がりますね。

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しかし、この画期的なアイテムは安くありません、カーディガンが約8,000円ほどします。
若者に人気のあるブランド、アーバンリサーチやSHIPSのカーディガンと同等の値段であり、ユニクロのカーディガン4枚分です。
高齢者は、コーディネートを楽しむために安い服をたくさん買う、というよりは機能的な高級服を少数買うのかもしれません。
若い頃と違って、誰かのために、どこかへ行くためにまとうファッションから、楽しく生きるための画期的なファッションへと欲求が移行したのではないでしょうか。
でも、どちらかを諦める必要はないと思います。

高齢者が生きやすい服

介護服は機能は素晴らしいのですが、どれを見ても寝巻きに見えてしまいます。
ファッションは、気持ちも明るくしてくれるアイテムです。
ライオンの顔面がプリントされたトップスを着れば、なんだか強くなった気持ちになりませんか。
動きやすいスパッツに見えないパンツはいつもより長く散歩できそうですよね。
気分が落ち込んでいるときにパッと目立つ鮮やかな花柄を着ていたら、気分も明るくなりませんか。
もっと楽しんで生きるために、ファッション性のある寝巻き以外のアイテムがあってもいいのではないでしょうか。

以前、女性用薄毛シャンプーの広告で「ユーザーが自分でシャンプーを開発しました!」という記事をみました。
こんなシャンプーがあったらいいよね、私はこの悩みを解決したい、など研究チームとやりとりを繰り返し、消費者が消費者のためにシャンプーを開発した製品です。
これは、高齢者にもできるのではないでしょうか。
「自分で着る服は自分で作る」ーーー
機能性とファッション性が掛け合わされることで新たな価値が生み出されます。
ITスキルも身に付けられた皆さんなら、不可能なことなんてありません。
一度きりの人生、何歳になっても挑戦している姿はかっこいいです。
そんな新しいことを一緒に生み出す仲間を「おしるこ」で見つけませんか。

おしるこロゴ


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