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老若日記-その33- 終活~最新の葬儀をご紹介〜


                   
【イントロダクション】


遅かれ早かれいずれは自分の家族や近しい友人を亡くし、葬儀や死後の遺品整理などをする時が必ずやってくるでしょう。今回の記事ではその「来たるべき日」に備えるため、一般的な葬儀から最新の葬儀の種類や内容などをまとめていきたいと思います。
この記事では「伝統的な葬式が一体どのような内容なのか」を振り返ることも、最近の葬式のトレンドを一通りご紹介します。今更他人に聞くのも気が引ける、世間の常識的な部分もありますが、大病から帰還した筆者の感想も交えてお伝えしますので、ぜひご一読ください。

【哲学的テーマ】
「葬儀」といってもいろいろ。「葬儀」にトレンドを取り入れますか?

【出典】
ACP人生会議
https://www.med.kobe-u.ac.jp/jinsei/about/index.html

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一般的な葬儀


まずは一般的な葬儀が一体どんなものだったのかをお伝えします。

一般的な葬儀の概要
「一般的な葬儀」とは、伝統的な葬儀のことを指します。一般的に行われている葬儀の内の8割は"仏教式"で葬儀が行われています。以前、葬式仏教という本を読んだことがありますが、正式には仏教にも多数の宗派があり(浄土真宗本願寺派や浄土宗といった宗派が多数派を占めています)、家の宗派によっても葬儀の内容が変わってきます。

一般的な葬儀で特徴的なのは、参列する人数の多さと儀式の伝統を重んじる点です。一般的な葬儀に参列するのは「故人と交流のあった人たち」です。家族や近しい友人はもちろん、会社の同僚や場合によってはそこまで仲が深くなかった方も式に参列されることもあります。礼服の参列者でごった返すのが一般的な葬儀といえるでしょう。

一般的な葬儀の流れ
一般的な葬儀は①通夜②葬儀式③告別式④出棺式⑤納めの式を経て、納骨という流れになります。葬儀の流れがルーティン化しており、次の展開を予想しやすいのが特徴です。若い頃は流れが分からず、正直、まだ終わらないかなと思ったことが多々ありました。それでは順を追って説明しましょう。

①の通夜は故人との別れを偲ぶ儀式です。故人との別れを悼みながら、翌日からの式に備えます。
②の葬儀式は遺族や親しい友人が故人の冥福を祈り、魂を浄土に送るための儀式です。
③の告別式は友人や知人が故人に別れを告げるための儀式です。
現在では②と③にはあまり区別が無いようですが、厳密に言えば上記のような違いがあります。
④の出棺式では柩を火葬場に送り、⑤の納めの式で火葬前に故人に最後の別れを告げます。こうした儀式を経て、故人のお墓に納骨(納骨式)をすることになるのです。

筆者は40歳のとき父親を看取りました。葬儀を実施した際は一般的な葬儀だったのですが、葬儀の前に簡単な予行演習があり、この時葬儀の流れを覚えた記憶があります。40歳で葬儀をあげた人は身の回りに少なかったため、同年代の知人などに葬儀の流れなど伝授した経緯があり、自ら「葬式アドバイザー」と勝手に名乗っておりました。

一般的な葬儀のメリットとデメリット
一般的な葬儀のメリットは家の伝統に従うことで親族や知人に安心して式に臨んで頂けることで、デメリットは参列者の人数が多くなってしまいがちなので、式の費用が高くついてしまうことです。伝統的な方法で臨むとどうしても大規模、かつ高額の費用が掛かってしまうようです。

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家族葬


最近では「家族葬」という言葉をよく耳にします。家族のイメージ通り、小規模な葬儀を意味します。自分の葬式には身内だけでよいと考えているので、筆者は「家族葬」にしたいと考えております。

家族葬の概要
「家族葬」とは、家族と近しい友人のみを招いた小規模な葬儀のことを指します。実は「一般的な葬儀」と「家族葬」との間に明確な意味の違いはありません。ただし、家族葬は読んで字の如く、家族と近しい友人のみを招く場合が多いので、一般的な葬儀と比較すると小規模であることが多いです。

葬儀の流れ
葬儀の基本的な流れは一般的な葬儀と同じですが、規模が小さいので日程がスムーズに進むのと葬儀費用が安い場合が多いです。

「家族葬」のメリットとデメリット
家族葬のメリットは参列者が時間をかけて故人と語り合い、お別れをする時間を作れるということで、他にも費用が安く済むということもメリットとして挙げられます。筆者は自分の葬儀は大げさにしてほしくないので、家族葬にすると家族には伝えています。

デメリットは「親しい友人」を招待するという曖昧な定義づけであるために、後々になってから「自分が呼ばれていないのはどういうことだ」というようなトラブルの元になってしまう可能性があるということと、参列する人数が少ないために弔問に訪れる方の数が多く、急な対応に迫られる可能性があるということです。

都心部では特に簡素的に、もしくは少ない人数で故人とお別れしたいと思われている方も多いようで、"家族葬"の様式で葬儀を行うケースが増えてきているようです。


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「生前葬」


生前、なのでよくないイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれません。ニーズがあるので、この言葉が生まれたと考えます。生前に葬儀することには、賛成でも反対でもなく、当人が決めることだと思います。しかし白装束で棺桶に入ったりするのかな、と想像しましたが、それだとコントみたいです。

「生前葬」の概要
「生前葬」とは、故人が生きている内に家族や友人に別れを告げる葬儀のことを指します。一般的な葬儀や家族葬とは違って、故人が生きている状態で式を行うので、式場や段取りなどを故人が自ら企画し、実行することが出来ます。また、式には特に決まった"型"が無いので、故人の思うように式を執り行えます。

生前葬の流れ
葬儀の流れは完全に故人の計画に依存します。生前葬を行う方の中には"お別れ会"のような「故人が人生の中でやり遂げたこと」を参列者と一緒に共有したり、逆に「何を成し遂げられてないのか」を話し合ったりすることもあるようです。成し遂げられていないことを話し合っても、解決できるのか疑問が残ります。

生前葬のメリットとデメリット
「生前葬」のメリットは参列者に自分の別れの言葉に乗せて、本当に自分がその人に伝えたいことを伝え、そしてお互いに会話することが出来ることです。この機会を利用すれば、多少照れ臭いことでも堂々と話せるかもしれません。
デメリットは未だに「生前葬」という葬儀のあり方が世間ではあまり受け入れられていないということです。市民権を得るのは、どうかなとも思います。

お互いに生きている内に伝えたいことを伝えられるのは素晴らしいことですが、そもそも、「生前葬」をしたからといって、その方の死後に葬儀が行われないという保証はありません。

つまり、「生前葬」を実施したにもかかわらず、遺族の心情としては故人を見送ってあげたいという気持ちがあり、「生前葬」を実施したとしても、故人の死後には改めて葬儀を執り行ったという例もあるようです。結局、死んでしまった後の話は防ぎようがないですよね。

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最新の葬儀


ここでは最新の葬儀についてご紹介します。

「自由葬(無宗教葬)」とは
「自由葬」とは、宗教や伝統に囚われないで自分たちのやりたい葬儀をプロデュースする葬儀のことを指します。具体的には、故人にゆかりのある音楽を流しながら別れを悼むような「音楽葬」、より楽しく、そして笑いの絶えない葬儀をコンセプトにして、宗教的な儀式を一切省いた「想送式」など、実にユニークな葬儀のあり方が増えてきています。斬新といいますか、クリエイティブといいますか、考え方にもよると思います。
このような「自由葬」も一部では受け入れられることでしょう。

「自然葬」とは
「自然葬」とは遺体を焼却し、墓地に埋骨せずに、自然に散骨、もしくは墓石の無い場所に埋骨する葬儀のことを指します。
散骨場所には野山や海、宇宙など多くの選択肢があるようですが、最も人気があるのは「海への散骨」のようです。というのも川や野山への散骨や埋骨の際には法律の問題で難しい場合が多いらしいのです。筆者の場合、海に散骨しても、海洋投棄物に過ぎないと考えるので、海への散骨は遠慮したいです。
また、故人にゆかりのある土地に散骨しようと思っても、墓地や散骨用地として認可された場所でなければ散骨や埋骨が出来ないらしく、それに伴う手続きも煩雑です。
その一方で、空中散骨や宇宙散骨などの一風変わった散骨方法もあり、遺族や故人のニーズに沿った散骨、葬儀の方法が見つけられるかもしれません。

「樹木葬」とは
「樹木葬」とは墓地用地に墓石を置かず、遺骨を埋めるといった葬儀のことを指します。読者の中には「それは自然葬と同じではないか。」と思われる方もいると思います。
しかし、これはあくまでも墓埋法に基づいた墓地に埋骨するという方法なので、自然葬の散骨とは似て非なるものになります。
しかし墓埋法に基づかない、あちこち樹木のまわりに散骨されたらちょっと考えものです。木陰で休んだら人骨が、となるとぞっとします。

基本的には一般的な葬儀・家族葬にて埋骨された墓地との違いは墓石があるかないかの違いくらいのようです。

例えば、死んだ後は土に還りたい、と考える人にとっては、一般的な葬儀よりも自然で、遺族に金銭的な負担も掛からない上記のような葬儀のあり方が今後は広まっていくのではないかと思います。

まとめ


いかがでしたでしょうか。一般的な葬儀から樹木葬まで幅広い葬儀の在り方があることがおわかりいただけたと思います。時代と共に文化や伝統は変わっていくものです。

今の時代の葬儀を振り返ってみると、今の時代の葬儀では「死を悼む」という意味合いよりも、「故人との思い出や対話の時間を大事にする」という意味合いの方が強くなっているのかもしれません。


また、時代の最先端の葬儀をあげたいのか、それとも一般的な葬儀がよいか、家族葬でも良いではないか、結局は当人の価値観によるものだと思います。

筆者は自分の死を大げさにするのは気が引けるため、葬儀は家族葬を希望しています。さらに葬儀社は必ず相見積りを取り、最もお安いプランにするようにエンディングノートには記載しています。きちんと火葬し法的に問題のない形であれば、お得な葬儀で十分です。

以上、筆者の考えも交えながら今回の記事を執筆しました。こちらの記事が読者の皆様にとって有益なものになれば幸いです。

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