黒歴史を発見した話
先日、クローゼットを整理していたらあるものが出てきた。
見つけた瞬間「ヒッ」と小さな声が出たと思う。
ヤツは花柄の巾着に入っており、ものすごい存在感を放っていた。
ヤツの名は「交換日記」。
しかも中学生という多感な頃に書いていたもので、見るからにヤバい雰囲気がプンプンしている。
恐る恐るページをめくってみる。
「ヒッ…!!」
さっきよりも大きな声が出た。
平成初期のギャグをかまし、変な絵が至るところに描かれている。
しかもそれを描いているのは、ほぼ毎回同じ人間である。
紛れもなく、私であった。
ネタにするのも恥ずかしいわ……てなもんで、誰かに言うのはやめておこうと思ったが、悲しい哉。ライターの性なのか、ついネタにしたくなってしまう。
許せよ、中学生の時の私。一緒に交換日記を回した友よ。
ちなみに表紙はこんなかんじ。
30年前の日記帳にしては状態が良い。一応鍵もついているが、壊れていた。
恐る恐る1ページ目をめくってみる……。
1ページ目では執筆メンバーが紹介されている。
ちなみに1番上の「くじら」とは私のことである。
目が垂れているため、くじらっぽいからと名付けられた(未だに意味がわからない)。
そして下の方には、似顔絵のようなものも描かれている。
左下の水槽を一本指で支えている怪しい女は、くじらこと私だ。
みんな自分の顔を描いているのに、くじらの似顔絵だけ、妙に不自然である。
似顔絵にわざわざ水槽を描く必要性は、ないはずだ。
そうだ。思い出した。
水槽に浮かんでいる魚たち、よくみると人の顔に見える。
そう。最初は魚を目と口に見立てて、似顔絵を描こうとしたのだ。
ところが想像以上にキモチワルイ仕上がりとなり、このように誤魔化したのである。
初っ端から1人だけ、ヘンテコワールド全開である。
この後のページは危!止!禁!の内容だが、少しだけ紹介しよう。
こんなページを発見してしまった。
サザエさん要素が全く含まれていない「サザエの姉」イラスト。
そもそもサザエさんに姉はいない。
そして上の「人間以外」ってなに?
いろいろとおかしい。ツッコミどころが満載だ。
これはもちろん、くじらが執筆したページである。
読み進めていくと、リアルな中学生の様子が見られて面白い部分もあった。
なおぴーはこの日記帳をお母さんに見られて、ケンカしたらしい。
確かに見られたら恥ずかしいよね。
でもね、なおぴー。
あなたのページは、30年後に見返してもちっとも恥ずかしいことなんて書かれてなんかいないよ。
もっともおかしなことを書いていたのは、くじらだ。大丈夫。
……ん?ということはくじらの書いたページも、なおぴーのお母さんに見られたということか。
ひゃー。今更だけど、穴があったら入りたい。
最後は、なおぴーによるメッセージで締めくくられている。
See you again…また会おうね。
いいこと書くじゃないか、なおぴー。
みんな何しているのかな。
それぞれの人生を歩んで、お互い交わることは無くなってしまった。
なおぴーと、おとろあちと、マチドンが奇跡的にこの記事を見てくれていたら、くじらまで連絡ください。
1人だけテンションがおかしい交換日記の存在を肴に、お酒でも呑めたらいいな。
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