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【絵本】長新太さんのキャベツくんシリーズについて思うこと

長新太さんの絵本が好きだ。

独特の色使いと、独特の世界観。

その中でもキャベツくんシリーズは笑いあり、少し不気味さがある絵本だ。

お気に入りの絵本と、ココが面白いと思ったところを紹介しようと思う。

※多少ネタバレがありますのでご注意ください。

キャベツくんとブタヤマさん

吊り橋の上でキャベツくんとブタヤマさんが出会うところから始まる。

キャベツくんが「こんにちは」

と言うのに対して

ブタヤマさんは「お腹がすいて目が回る。こんなに高いところだから余計に目が回る」

と返して舌をペロリと出す。

礼儀正しいキャベツくんと、失礼極まりないブタヤマさんの対比が面白い。

ブタヤマさんが「キャベツおまえを食べる!」

と本性を出すのはお決まりなのだが、それをさらりとかわすキャベツくんのスマートさが好きだ。

現実でもこういう人たちっているんだろうなぁ、と思いながら読んでいる。

つきよのキャベツくん

キャベツくんとブタヤマさんが歩いていると、ブタヤマさんのように大きな鼻がついたとんかつと出くわす。

とんかつの紹介の仕方が「へんなもの」と書かれており、言い方の雑さに驚いた。

そしてなぜか森の中からトンカツソースが走ってくる。

みんなに挨拶をするときに頭を下げると、ソースがちょっと出てしまう。

「なんでそうなるの?」の連続で、私の理解がついていかない。

子どもに読み聞かせるときも笑いがとまらなくて、まともに読めない本だった。

(何回も読んだ今ではさすがに読めるようになりました)

最後はきれいな終わり方だったので、読後感が爽やかで大好きな一冊になった。

キャベツくんのにちようび

シュールさNo.1の絵本。

冒頭でキャベツくんとブタヤマさんが出会い、いきなり

「キャベツ おまえを食べる」

と襲い掛かろうとするところから始まる。

相変わらずろくでなしのブタヤマさんだなぁ、とホッとするのはキャベツくんシリーズの沼にハマっている証拠だろうか。

この絵本はまねきねこのような不思議なねこが3匹登場する。

「おいしいものがありますよ」とキャベツくんとブタヤマさんを誘い出し、魔法を使って幻影を見せるというお話。

「ねこたちの目的はなんだったのか?」

大人はそんなことを考えてしまうのだけど、それは無粋なのだろう。

大人の考え方の枠にはまらない絵本は、子どもにはどう見えるのだろう。

長新太さんの絵本は、正直に言って理解できないものが多い。

でも読み終わったあとに、ふと思い出してはクスリと笑える。

中毒性があるとでも言うのだろうか。

子どもたちは私よりもキャベツくんシリーズが大好きで、一緒に読みながら笑い転げている。

絵本の読み聞かせがうまくできない、という保護者の人も多いと思うが、キャベツくんシリーズを読んで一緒に笑ってみてはどうだろうか。

(参考:「キャベツくんとブタヤマさん」長新太・さく 文研出版)
(参考:「つきよのきゃべつくん」長新太・さく 文研出版)
(参考:「キャベツくんのにちようび」長新太・さく 文研出版)

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