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オープンダイアログとは何か

本書はフィンランドにおける統合失調症への治療方法を紹介するものであり、タイトルにあるオープンダイアログとは「開かれた対話」のことである。治療チームによる患者や家族との対話、そのプロセスを紹介する中で、一見シンプルな対話手法がなぜ治療方法として効果を上げているのかを考えさせる。分野を問わず、多様な主体とのコミュニケーションの際に役立つヒントを提示する一冊


オープンダイアログのゴールは全員が合意に達することではなく、異なった理解を上手くつなぎ合わせ共有すること


上下関係や社会的役割が重視されるのではなく、メンバー全員のあらゆる発言が許容される雰囲気が大事


対話の中で「新たな言葉」を生み出し、メンバー間での共有可能な発話を導き出す


相手に問いかける以上に、相手の発話に耳を傾けることが大事


論理的に反芻したり、説得を試みたりすべきではない


何かを決定するのではなく、「対話の継続」それ自体が目的であるような対話


結論をいそがない(すぐに助言したり、結論を急いだりすべきでない)


大切なのは聴くことであり、話す際も「聴き手のように話す」


意見が食い違ったとき大事なことは、正しいか間違いか白黒はっきりさせることではなく、すべての声が受け入れられ、傾聴とやりとりが促されること

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