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文字の電子海。

なんとなく
今の気分に見合っているようないないような
それぞれがそれらしい形と色をした言葉言葉が
それぞれ色の近い順に自動で並べられて
大量に流れてくる

その1個1個の意味やなんかを解釈したり
答えを考える必要はなくて
僕はその流れをただぼーっと眺めていればよくて

それは海を見ているみたいだと思った

僕は海辺の生まれじゃないから初めて海を見た時とてもびっくりした

「水ってこんなにあるんだ」と思った

どうすることも出来ないほどの水があって

「どうしてこんなに水があるのか」

僕には全然
意味が分からなかった

そんな僕の意思とはまったく何の関係もなく
海はまったく自動で寄せては返すを繰り返し

むしろ僕から意思を奪い去って
何も考えさせてはくれず
何も言わせてはくれない

その雄大すぎる不条理に
稚拙な僕が心を奪われている間

僕は
まったく勝手に癒されていった

その海を思い出した

インターネットが広まるにつれて言葉が人らしさを失って
「海」に近くなっていくのは

なんだか
すごいなと思った


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