心が空っぽのベンチみたいになってる。



他人と自分を見比べて
自分の心に何がいるのか 何がいないのか
気付いてしまう

「自分」というものが
確固としてある人もいるけど
最初からよくわからないままでいる人間もいるよ

心が空っぽのベンチみたいになってる
誰か他人の価値観や言葉がその中心に座っている

その心の中心にいる「何か」こそが「自分」なのだと
思って生きててもさ
いつのまにか代わってるし
代わる代わる
いつか空席になってる時間のほうが長くなってて

いるよ
そういう人間も

 こだわったり 大切にしたり
 立ち返ったりするべき「自分」というものが
 過去の中にあればいい
 もしくは未来の期待の中に描ければ

 僕の場合
 「大切にしたかった自分」は
 どこかから座りに来た来訪者だったのじゃないかな

 僕は
 それになりたかったのでも なりたいのでもなく
 それが自分だと思っていただけなのじゃないか

無意識に他人ばかり見ているのは
自分をないがしろにしているからではないよ

きっと僕は無意味な夢を見ている

何かがどこかをぐるっと巡って
再び座りに来てくれるのを待っている

それが自分自身の中にないから
人の目の中を覗いて ずっと探している