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紅色のさざんか。



遠いひとり旅をしていた
おばあさんが

帰ってきた年に
植えたのだそうです

小道の脇の垣根
紅色のさざんか


北関東の台地は
毎年の西の風ふきっつぁらし

凍えて震える集落
広がる土煙り

色枯れた夕暮れ
遠い峰を雪雲がふさいでいる


雪は積もんねえから
死ぬほどじゃねえけど

菜の花やハイビスカスは
ねえから
やさしくはなれない

ほんと
半端な土地だぃねって

笑いかける
さざんかと根を下ろす



#詩 #のようなもの