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「ひな人形めぐり事件」

 3月3日「桃の節句」だった昨日、江戸時代の宿場町の面影が残る埼玉県みなみさいたま市中心部の商店街で、それぞれの店に伝わるひな人形を軒先に飾って観光客に見てもらおうという催し「ひな人形めぐり」が行われ、風情ある街並みに県内外から集まった観光客、約200人の目や鼻が一斉に花粉症で死亡した事件について、きょう埼玉県警は、「ひな人形めぐり」主催者の男性を重過失・花粉傷害などの罪で緊急逮捕しました。

 逮捕されたのは、埼玉県の「みなみさいたま街づくり協議会」代表で、耳鼻科医の、ハルノ ダイスケ容疑者(37歳)です。

 警察の調べによりますと、ハルノ容疑者は、3月3日あたりが花粉の飛びまくっている季節であることを知りながら、みなみさいたまの歴史ある街並みの魅力を多くの人に再発見してもらおうと、地元の商店主たちと協力して、15年前ほどから「ひな人形めぐり」と題した催しを開催していた疑いがもたれています。

 取り調べに対しハルノ容疑者は「今年は、みなみさいたま駅西口から約700メートルにわたって続く歴史ある商店街の、およそ30軒ほどの店先に、約400組の人形が飾られました。」と催しを開いたことについては認めているものの、意図的に花粉症を発症させた容疑については、「たくさんの人に商店街の魅力を感じていただけたらと思っています。」などと曖昧な供述を繰り返しているとのことです。

 事件当日にインタビューに応じた被害者に遭った男性によりますと、「飾られていた多くのひな人形の中でも、かつて呉服店だったという家に江戸時代から伝わる伝統の17段飾り、通称『江戸びな』は一見の価値がありました。また地元の方々のもてなしも、とても心温まるもので、是非また来年もごようどおぼびばぶふぁっ」と、被害の深刻さを伺わせていました。

※このニュースはフィクションです


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★ 表紙画像は「写真素材 足成」(http://www.ashinari.com )様の画像を加工させていただいたものです