日本語能力試験N1N2文法は約500項目・・・どうすれば試験に間に合う?
ご質問
日本語教師として文法を教えるときにいつも
気になっていることがありますので、
質問させていただきたいと思います。
先生のメールマガジンに出ているような「問題」
を学生に解かせるタイミングは、学生がN1やN2
の文法の勉強をひととおり終えた後だと
思うのですが、そうでしょうか。
4択の問題の回答の中に未習の文法項目があったら
4択問題自体がなりたたないので、
このような問題は、学期の最後の試験対策として
あるのだと思いますが、それで間違いありません
でしょうか。
中級以上の文法の難しいところは、試験問題の中に
「類義語」と「紛らわしい語彙」が出てくるところで、
まさにそれが「試験対策」になるのですが、
それをするためには、先ずひととおり文法のすべての
項目を教え終わっていなければなりません。
限られた時間、期間の中で文法の試験対策を効果的に
やろうとすると、
(1)かなり速いスピードですべての文法項目を終了し、
(2)その後、類義語や紛らわしい語彙の区別を要求す
るような練習問題を多くやる、
という形になると思います。
私の同僚の多くは、1時間に文法項目を2つ
教えるくらいが限度で、
導入から、意味(ニュアンス)接続、朗読、前件後件
の練習、短文の作成とかなり濃厚にやっています。
このやり方は、将来作文を書かせたりするのに
役に立つのだと思いますが、
すべての文法項目を教えるのに時間がかかり過ぎ、
学期の最後に行う試験対策は過去問題をやることで
終わってしまいます。
「試験対策」を第一と考えるのであれば、
速いスピードで文法項目の授業を終了し、
類義語や紛らわしい語彙についての授業もしくはテストを
繰り返すのが効果的だと思います。
私自身も試してみたのですが、(1)「速いスピードで
文法項目を教える」ことは、文法を語彙として教えて
しまえばいいので簡単だと思ったのですが、
思ったほど速くはなりません。
また、途中途中でテストがしたいのですが、
「途中までの項目をカバーしたような」テストが
ありません。
また、(2)文法の教科書は通常いくつかの章に分かれていて、
章ごとに「まとめテスト」みたいなものはありますが、
「それまでに(例えば第1章+第2章、第1章+第2章
+第3章)」学習したすべての文法項目を網羅し、
特に試験に出るような類義語・紛らわしい語彙にフォーカス
したテストはありません。
結果として、授業は普通の授業をやりますので(つまり、
あたかも作文に使うかのように丁寧に文法を教えますので)、
授業と学期の最後に行うテストとの整合性がなくなって
しまいます。
しかも、丁寧に文法項目を教えている割には、
5つくらいの短文を使って授業するだけなので、
実際の「文章の中で(長い文章のコンテクストの中で)」
それらの文法がどのように使われているかを教えていませんし、
それをするだけの時間もありません。
しかし、最近のN試験では、「文章の中で」どのように
文法が使われているかが問われるようになってきている
と思います。
だらだらと書いてしまい、私が直面している問題を充分に
うまく表現できたかどうか自信がありませんが、
もし先生の方で似たような課題について対応された
という経験がおありでしたら、何かコメントを
いただきたいのですが、よろしいでしょうか。
お忙しいところ大変恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
ご返事
こんにちは、別府大学の篠崎です。
メールありがとうございました。
かつての私と、全く同じです(笑)。
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