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建設系の中小企業が外国人雇用について本気で考えてみた12~外国人研修編

 近頃は建設の現場でも色々な国の人が働いているのを見かけるようになりました。人材不足に悩む業界にとって、外国人社員の積極的な雇用は会社存続の大きな鍵を握っています。

 しかし現場サイドはまだまだ昔かたぎ。外国人社員の対応にも慣れていません。弊社でも外国人社員と既存社員の不協和音が出始めてしまいました。
 外国人社員への対応や指示の仕方など、受入れ側の心構えは大切なのですが、それがなかなか伝わらないのが実情です。

 とはいえ現場の不協和音をそのままにしておくわけにはいきません。
 まず外国人社員を対象に、現場風土に適応し円滑に業務を進めてもらうための研修を行なっていくこととなりました。

 記念すべき(?)第1回の外国人研修は「印象をよくする」がテーマです。

本編に入る前のセットアップとして
「クライアントが信用する会社が仕事のオファーをもらえ、よりよい条件で受注することができる。みなさんの働く姿が会社全体の信用の評価につながる。」といった事を伝えました。
 要するに「お客様あってのお給料だからね!お客様から信用されるようになろうね!」ということです。
これは外国人社員に限らず全社員に心得てほしいことですねぇ。

 本編のコンテンツは「身だしなみ」「あいさつ」「ふるまい」「コミュニケーション」を主軸に、周囲と良好な関係を築き、客先の信用を得るために心がけたいことをレクチャーしていきました。

 また座学的な内容だけでなく、ワークやシェアを多く取り入れ「自ら考える」「考えを伝える」「他の人の考えを知る」ということが体験できるようにもしています。

 受講者2名ともまじめに取り組んでくれ、積極的に発言もし、初回の研修としてはまずまずの成果がありました。
ただし、少し気になることも。。。

 受講者Aさんは、身だしなみやふるまいのレクチャーの間「コレ、ダメなのにやってるひといるよ!」「~してないヒトいるけど、ダメでしょ!」と他人(しかも他社だったりする)のアウト行動を声高に言ってくるのです。
「そうですよねぇ。ダメですよねぇ。」と答えつつ、
(ひとの事はいいから!おのれをふりかえれ!)と内心で叫ぶこと幾たびか。

 もう一人の受講者Bさんは、今後の目標などを記入(母国語で)するシートに「目標ナイ。好きなコト書いてイイよ。」と紙とペンを私に押し付けてきました。(私の目標じゃないから~!!)とまた内心で叫ぶ私。
 粘り強くヒアリングすると「今のままがいい。このままをできるだけ続けたい」とのことでした。
 彼は「言われたことはやるが、自ら意欲的に動かない」と上司から評されていて、その一端が垣間見えた出来事でした。

 研修の締めくくりはお茶をしながらのトークタイムにしました。
 お菓子(二人にとっては初のようかんにもTRY)などをたべながら、リラックスした雰囲気の中で仕事の話や家族の話などを聞くことができました。

 社長がその後、皆を焼肉に連れて行ってくださいました☆
 「自ら意欲的に動かない」と言われるBさんですが、焼き肉屋さんでは自らせっせとみんなのお肉を焼いてくれ、別な一面が見れました。
 こうした時間を持つのもお互いをよく知るよい機会になります。

 次回はエニアグラムを用いて自身の傾向を知り、強みと弱みを探っていく、という研修にする予定です。

 個人的な見解ですが、外国人社員は文化も言葉も異なる環境への防御から、極端に感情を表出してしまったり、本来の自分を抑えたりすることが多いのでは?と思うのです。
 周囲と不協和音がある場合は自分を理解してもらえない苛立ちで、反感を呼ぶような態度をとってしまうのかもしれません。また周囲となじんでいる場合でも、そうするために自分を過度に抑えている場合があるかもしれません。
 どちらのケースも働くモチベーションにはよい影響を与えません。

 日本社会の中で本来の自分を出し、その良さを生かして働いてもらうために、研修では何ができるだろうか?と日々考えています。