天気が良かったので(名古屋市美術館)
昼食をとった後あまりに天気が良かったので名古屋市美術館の企画展へ。
『マリーローラサンとモード』と言う名の企画展。
1920年代以降の女性にスポットが当てられた今展示会では、女性の絵やシャネルのオートクチュールなどが展示されていた。
私たちを初めにお出迎えした絵。
てっきり、生き生きとした躍動的な女性が描かれるのかと思っていたので少し拍子抜けだった。
ローランサンの絵の多くは、喜怒哀楽の喜と楽を省いた目をしていると感じた。
もちろんそうではない作品もあるけどなぜなのだろう。
そして、背景もだ。
暗色で冷たいような色が多かった。
ここにもネガティヴさを感じた。
それと同時にこれは被写体が纏っているオーラのようなものを感じる瞬間があった。
1920年代以降となると、ピカソやブラックなどといったキュビズムが台頭する頃であり、友好があったローランサンは彼らに影響を受けたらしい。
この手の絵はどうも好きになれないし、目に入った瞬間、『あーキュビズムか』と少し気持ちが下がった。
今回私が1番踊らさせれた作品。
まずはこの女性。
身体左側がなぜか不自然に描かれている。
この奇妙さが、面白かった。
それと背景の暗色。
何か憂鬱とさせるものを感じ取られたし、この女性の気持ちがすごい気になった。
先ほどから暗い色ばかりの作品を紹介してきたが、もちろん明快な作品もある。
1930年代に入るとこの傾向が見られるらしい。
鮮やかなピンクの色のドレス。
豪華な花束。
生き生きとした女性の顔。
背景がサンセットであるような明るさ。
比較されてかわからないが、女性がかっこいいと思えた。
ガブリエル・シャネルがメインとなってるゾーンも面白かった。
シャネルのドレスは形が素晴らしかった。
背中のラインの美しさが私には光って見えた。
そして大好きな言葉に出会った。
『モードは死ななければならない。』
時代の感性を強く受けるモードは時代が移れば廃れ、忘れられていく運命だ。
モードの本質を捉えたこの言葉に改めて、モードが意味するものや、モードが持つパワーについて考えさせられた。