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青とオレンジ

大切な人を失った。

シンプルに言えば、ただの失恋。されど失恋。

感情はナマモノだ。

どうしても吐き出したいけど、誰かに話すのはちょっと苦手。

だから、赤裸々にnoteに綴ってみようかな、なんて思ったわけで。

感傷に浸りつつ、しばらく温めていたnoteを再開しようかな、ともと思ったわけです。

何が言いたいかというと、喪失感がエグいってこと。

「アサガキマセンヨウニ」

しょうもない呪文を唱えながら眠りにつく。

そんな願いが叶ったのか、可笑しな夢を見て真夜中に笑いながら目が覚めた。どんな夢かは覚えてないのだけれど。

そこから目が冴えて、眠れなくなってしまった。

同時に、とんでもない虚しさが襲いかかってくる。

もともとおかしいと噂の頭が、さらにおかしくなりそうだ。

夜よ。ウジウジしている僕を、闇に葬り去っておくれぇぇぇえ。
そしたら明日、仕事しなくていいでしょ。(しろ)

友人期間が長かった相手と恋人になるのは、お互い初めての経験だった。

彼女は最愛の人であり、最高の親友のような存在だった。
太陽みたいにパワーに満ち溢れている人。

時には甘い時間を過ごし、時には安らげる、居心地のよい時間を過ごした。

彼女といると、飾らない自分でいられた。

妙にカッコつけると自分でも変な感じがしたし、彼女はそんな僕を見て笑った。

だけど、友達の時には知らなかった一面もたくさん知った。

彼女を知れば知るほど、僕は彼女に惹かれていった。

「昔みたいに友達に戻りたい」

そう言ったのは彼女なのに、泣いたのは彼女の方だった。

僕は、泣いたら全て終わってしまう気がして、泣けなかった。

いや、正確には泣かないように必死だった。

彼女はいつも、笑顔が最高に眩しかった。

そんな彼女の悲しそうな泣き顔を初めて見て、僕はただただ心が痛かった。

蚊の鳴くような声で「ごめん...」と彼女が呟く。

その一言で彼女の涙腺はぶっ壊れ、子どものようにワンワン泣いた。

泣かないと決めていたのに、泣いてしまったんだな...とすぐに分かった。

どうしてこうなる前に気付けなかったのだろう。いや、もしかしたら僕は、気付かないフリをしていたのかもしれない。

だとしたら、最低だ。

彼女のダムが決壊した瞬間、僕の語彙力は家出をした。

もう後戻りできないことを悟り、頭がからっぽになってしまった。

彼女は「超」がつくほど、頑固だ。
芯が通っていって、他人はもちろん自分でもそう簡単に意思を曲げられない。

想いを口にしてしまえば尚更だ。

一度決めたことは貫き通す、不器用ともいえるくらい真っ直ぐなことを僕は知っている。

そんなところも好きだったのだけれど。

僕は何も言わず、彼女の涙をただ拭うことしかできなかった。情けない。

あの時僕は、一体どんな顔をしていたのだろう。
きっと、目も当てられないくらいブスだったんじゃないかと思ってる。

彼女がいる世界が全てではない。
これでも30年ちょい生きてきたから、さすがにそんなことは分かってる。
世界は広いって誰かが言ってた。

だけど、彼女のいない世界は退屈だ。

「嫌なところは見つからなくて、あくまで私の気持ちの問題。」

そう言った彼女の無責任な優しさに、僕の気持ちは完全に迷子になった。
シルクドソレイユもびっくりの宙ぶらりんだ。

「お前の存在が生理的にムリィ!」

いっそ、そんな暴言を吐いてくれたら、キレイさっぱり諦められるのに。

心臓が痛い。

もう一生味わいたくなかったはずの痛みを、懲りもせずまた味わっている。

狭いベッドなのに、スペース配分をいつも間違えていた彼女。僕はよく、壁とゼロ距離で眠っていた。
翌日のあの体の痛みなんて、今の痛みに比べれば足元にも及ばない。

そんなくだらないことを考えてしまう実りのない夜。

ふと、今日何も食べてないことに気付いて、おもむろにラーメンを作り始める。
3億光年前くらいに夜食はやめたっていうのに。
ちょっとした罪悪感が無料でトッピングされる。
サッポロ1番塩ラーメン(無味ver.)が、この世に存在していたことを生まれて初めて知った。
こりゃあ売れそうだ。

一緒に観ていた海外ドラマも、まだまだ途中だな。
シーズン全然残ってるじゃん。
どうすんだ、コレ。
続きが気になってしょうがないや。

とりあえずしばらくは、無心で仕事に全集中してみようと思う。

だけど僕は、いつの間にか日常に溶け込んだ彼女の影が見える能力を手に入れていたようだ。

今となっては、すぐにでも手放したい能力なのだけれど。

一緒によく見た、彼女の大好きな青とオレンジが、僕も大好きだ。

僕の中で、彼女は大切な人に変わりない。

お互い嫌いになったわけじゃないのに別れるって、想像以上にしんどいや。

人の気持ちって複雑。

こんがらがって、簡単に解けない。

だからやっぱり、しばらく友達には戻れそうにない。

そんな簡単に割り切れないみたいだ。

本当は今すぐにでも君に会いたいけど、迷子のままでは会えないや。

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