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DWPI(Derwent World Patents Index)のような構造化抄録を作成する機能【サマリア】

特許読解アシスタント「サマリア」

DWPI(Derwent World Patent Index)は、核技術分野の専門家による標題および抄録を作成し、技術分野ごとの独自分類を付与した独自抄録である。

DWPIの構造化抄録については、「Derwent World Patents Index(DWPI)抄録の評価の試み(松谷貴己 他, 情報管理 2013 vol.56 no.4)」に詳しく紹介されている。

DWPI3つの抄録とAlerting抄録のフィールド
「Derwent World Patents Index(DWPI)抄録の評価の試み 情報管理 vol.56 no.4 2013より引用」

DWPIは優れた特許抄録として広く知られている。一方、次のような課題も有する。

  • 公報発行からのタイムラグ(3ヶ月程度要する)

  • 英語で提供されるため日本語を母国語とする者には扱い難い

  • 専門家の人手により作成されるものであり一般に高価である


サマリアの構造化抄録機能

特許の読解支援アシスタント「サマリア」は、2023年8月21日のアップデートにおいて新たに「構造化抄録機能」という機能の提供を開始しました。

構造化抄録機能(クイックアシスト)の説明
https://patent-i.com/summaria/manual/assistant_quick_assist

「構造化抄録」機能では、複雑な操作なしに特許公報(明細書)の記載内容に基づいて自動的に「技術分野」「用途」「課題」「解決手段」「効果」を抽出した「要約(サマリ)」を生成する機能です。

この機能により、発明の概要を、様々な観点から立体的に把握することができます。また、「構造化抄録」では、技術分野、用途、課題、解決手段、効果などの項目ごとに生成文書をダウンロードすることができるため、様々な資料で再利用する際も利便性よく活用することができます。

構造化抄録の作成事例(日本公報)

構造化抄録の作成事例を紹介します。
これらは全て「サマリア」による出力結果を加筆・修正なしに提供するものです。
「サマリア」では、このような高品質な構造化抄録を特別な作業なしに得ることができます。

また、「サマリア」が扱うことができる特許公報には技術分野による制約はありません。材料系から、システム系、医薬系などあらゆる技術分野の特許公報を対象に構造化抄録を作成することができます。 

そして、構造化抄録とともに、当該抄録と関連する「関連段落」の段落番号もあわせて提示を受けることができます。ですので、構造化抄録を確認するとともに、明細書のより詳細な内容を確認したい場合には、明細書の該当段落を参照することになります。

<技術分野>
画像形成装置
<用途>
本発明の目的は,起動処理を実行しても起動処理の実行前に不揮発性メモリに格納されていたログデータを保持することができる画像形成装置,その制御方法,及びプログラムを提供することにある.
<課題>
起動処理を実行しても起動処理の実行前に不揮発性メモリに格納されていたログデータを保持することができる画像形成装置を提供する.
<解決手段>
本発明の画像形成装置は,ログデータを保持するための不揮発性メモリと,不揮発性メモリより記憶領域が大きい揮発性メモリとを備える画像形成装置であって,不揮発性メモリをログデータの格納場所に設定する設定手段を備え,画像形成装置の起動処理において,設定手段は,ログデータの格納場所を不揮発性メモリから揮発性メモリに切り替えることを特徴とする.
<効果>
本発明によれば,起動処理を実行しても起動処理の実行前に不揮発性メモリに格納されていたログデータを保持することができる.

関連段落:0008, 0005, 0027, 0034, 0031

特開2021-022149

<技術分野>
本発明は中性子を用いて被検査物の非破壊検査を行う非破壊検査システム及び非破壊検査方法に関するものである.
<用途>
中性子を用いて行う非破壊検査において,検査位置を正確に特定することができ,それにより被検査物の内部構造を高精度に解析することのできる非破壊検査システム,非破壊検査方法を提供すること.
<課題>
中性子を用いた非破壊検査では、検査位置の特定が難しく、その結果、被検査物の内部構造の解析精度が低下する問題があった。
<解決手段>
本発明の非破壊検査システムは、中性子検出部が被検査物を透過した中性子を検出する。さらに、支持ユニットは、各アームとリンクを含み、これらの長さや取付角度などの情報を用いて中性子検出ユニットの位置情報を算出する。また、中性子情報生成部、位置情報算出部、姿勢情報算出部などを用いて、被検査物の内部で散乱した中性子を検出し、その位置と姿勢を解析する。
<効果>
本発明によれば,被検査物に対して中性子を用いて行う非破壊検査において,検査した位置を正確に特定することができ,それにより被検査物の内部構造を高精度に解析することができる.

関連段落:0011, 請求項1, 0007, 0069, 0067

特開2020-051946

<技術分野>
本発明は、グリース組成物に関し、より詳しくは、例えばギヤの摺動面等に塗布して用いられ、グリースの飛散を有効に抑制することができるグリース組成物に関する。
<用途>
このグリース組成物は、例えば、2種類のギヤが噛み合う領域等のギヤの摺動面に塗布して用いられる。
<課題>
例えばギヤ摺動面に塗布して用いられ、その摺動面での摺動時における飛散を有効に抑制することができ、優れた潤滑性を奏するグリースを提供することを目的とする。
<解決手段>
本発明の第1の発明は、基油と、増ちょう剤と、増粘剤としての重量平均分子量6000〜12000であるオレフィンコポリマーと、を含有する、グリース組成物である。
<効果>
本発明によれば、摺動面での摺動時における飛散を有効に抑制することができ、優れた潤滑性を奏するグリースを提供することができる。

関連段落:0009, 0007, 0008, 0018, 請求項2

特開2020-050683

構造化抄録の作成事例(米国公報)

サマリアは、米国公報、欧州公報等の英語文献にも対応しています。また、中国公報、韓国公報にも対応しています。
例えば、米国特許の構造化抄録を以下のように示します。これらは全て、英文明細書から自動的に生成されたものとなります。

<技術分野>
食品廃棄物のモニタリングと分析
<用途>
この技術は、食品廃棄物の生成原因、廃棄物の行き先、廃棄物の種類などのデータを収集し、それを分析するためのものです。食品廃棄物の重量を推定するために、食品廃棄物の体積を食品廃棄物の性質に基づいて変換することも含まれます。
<課題>
食品廃棄物の管理は、食品廃棄物の量を正確に把握し、それを適切に処理するための重要な課題です。しかし、食品廃棄物の量を正確に計測することは困難であり、また、食品廃棄物の種類によっては、その重量を正確に推定することも難しい。
<解決手段>
この発明は、食品廃棄物のデータを収集し、それを分析するための装置を提供します。各食品廃棄物モニタリング装置は、食品廃棄物の性質と使用された容器の数を示すデータを受け取り、食品廃棄物の体積を食品廃棄物の性質に基づいて選択された変換係数を用いて重量に変換し、食品廃棄物のデータを食品廃棄物分析装置に送信します。
<効果>
このシステムにより、食品廃棄物の量を正確に把握し、それを適切に処理することが可能になります。また、食品廃棄物の種類によっては、その重量を正確に推定することも可能になります。さらに、食品廃棄物の生成原因や廃棄物の行き先などの情報を収集することで、食品廃棄物の管理をより効率的に行うことができます。

関連段落:0019, 0031

USA2020/0108428

<技術分野>
熱パイプの製造方法
<用途>
この発明は、特定の作業温度範囲で動作する熱パイプを製造する方法に関するもので、作業対象が作業効率を達成できるようにする。
<課題>
電子部品の熱を効率的に冷却するための手段が必要である。また、作業対象の作業温度範囲を調整するための方法が必要である。
<解決手段>
この発明は、作業対象の熱を吸収し、蒸気相に変換する作業液体を含む熱パイプを提供する。熱パイプは、長さ方向と直径方向に垂直な通路を有する管からなる。作業液体は、通路を通って凝縮反応を行い、再び作業液体に凝縮する。作業液体は、管の内壁に配置された毛細管構造を通じて作業対象に取り付けられた位置に移動し、作業対象の熱を吸収する。
<効果>
この方法により、熱パイプは特定の作業温度範囲で動作し、作業対象の作業効率を達成することができる。また、作業対象の作業温度範囲を調整することができる。

関連段落:0002

USA2021/0055060

<技術分野>
航空機のエアフォイル技術
<用途>
この発明は、エアフォイルの冷却を効果的に行うためのものです。エアフォイルは、航空機の翼やタービンブレードなどに使用され、空気の流れを効率的に制御します。
<課題>
エアフォイルは高温と高圧の環境下で動作するため、適切な冷却が必要です。しかし、従来の冷却方法では、冷却効果が十分でない場合があります。
<解決手段>
この発明では、エアフォイルの壁とリブ(補強部)の間に冷却チャネルを設け、冷却効果を向上させています。また、リブには冷却孔が設けられ、冷却チャネルとリブの間で冷却空気を循環させることができます。
<効果>
この構成により、エアフォイル全体の冷却効果が向上し、エアフォイルの耐久性と性能が向上します。また、冷却チャネルは互いに独立しているため、冷却空気の流れを最適化することが可能です。

USA2021/0054747

構造化抄録の表形式データ

また、生成された構造化抄録は、「技術分野」「用途」「課題」「解決手段」「効果」の項目ごとのデータ構造としても扱うことができるため、以下のようにExcelなどの表計算ソフトで発明を整理、管理する場合に利便性良く取り扱うことができます。

表形式での構造化抄録(日本特許)
 表形式での構造化抄録(米国特許)

このように、「サマリア」を利用することにより、従来DWPI等の高付加価値抄録のみが提供していた構造化抄録を、

  • タイムラグなしに

  • 日本語を母国語とする者にも読みやすい日本語で

  • 誰でも安価に取得することができる

ようになりました。
特許公報の情報を様々な人がストレスなくアクセスできる、情報環境を「サマリア」は提供していきます。

現在、サマリアはサービスを無料で提供しております。
特許公報の読解に困っていたり、悩んでいる方は是非ご利用ください!

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