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両足首を捻挫した話

だいぶ前の話なのですが、僕は両足首を捻挫したことがあります。両足首ですよ?いま思い出すと切なくも笑えるのですが、両足首を捻挫している人なんて、そうそういないと思います。なぜ、「両足首捻挫」という経験がやってきたのか、なんとなく思い当たることがあるのです。

前に進めないと感じていたあの頃

両足首の捻挫は、同時ではありませんでした(同時って体勢的にも難しそうですよね)。まず片方を、そしてまもなくもう片方を捻挫し、両足首捻挫の完成です。

その頃の僕は、普通に仕事をしてはいたのですが、なんとなく自信が持てないような、そしてなんとなく疲れているような感じで、

「なんだか前に進むのがつらいな…」

と感じていました。そんな時に、最初の捻挫がやってきました。

エネルギー不足が怪我を招くことも

前に進めない…というフィーリングって、要するにエネルギー不足、元気がないということですよね。だから、出来ることなら周囲に気遣ったり励ましたり色々してほしい。

でも、僕は自分のそうした「身体の言い分」のようなものをスルーして、「足首の捻挫?なんぼのもんじゃい」と病院にも行かずに痛みを感じながらも普通に暮らそうとしていました。

そうすると、数日後に、もう片方の足首まで捻挫してしまいました。捻挫をした時は、もちろん捻挫そのものがすごく痛いので辛いのですが、なんだか身体をぞうきんみたいに絞られたような感じがしました。出てきてのは「辛いよう」という本音です。

両足首捻挫で見えた景色

両足首を捻挫すると、さすがに普通に暮らせなくなります。平らな道はそろそろと歩けても、階段とか坂道とか、何よりも起伏のある道とかがきついのです。起伏というのは山道みたいな起伏ではなく、点字ブロック程度のわずかな起伏です。

いま思い出すのは、四ッ谷駅前の大きな横断歩道です。渡ろうと思っても、間に合わないのです。だから、青信号でもそのまま渡らずに待って、赤から青に変わったと同時に横断しました。

自分のすぐ脇を人や自転車が走り抜ける度に、緊張や恐怖を感じました。足が痛いというだけで、こんなにも景色が変わるのかと思いました。バリアフリーってこういうことなのか…としみじみ実感しました。

エネルギー不足を自覚出来なかったり、うまく助けを求められなかったりすると、怪我を招くことってあると思うんです。怪我をすると、周囲が助けてくれて、そのことを通してエネルギーを受け取れますからね。

出来ればそんなことは避けたいなと思うけれど、両足首捻挫の体験は、ちょっと切なく可笑しくなんだか趣深く、僕のなかに残っています。そして、怪我なんてしない方がいいけれど、あれに関しては自分には必要な経験だったと思えます。

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