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ただのバイトをクルーと呼ぶのはなぜ?

アルバイトって、すごく弱い立場です。簡単に首を切られてしまいますし、収入だって安定しません。雇用する側には使い勝手の良い存在でもあります。そんな「アルバイト」という存在のイメージアップ戦略がすごい…と常々感じていました。

仲間意識はあっても仲間じゃない

アルバイトのことをクルーとかメイトとか呼んで、帰属意識や仲間意識を高めようとする手法について、問題だとする記事を読みました。

記事中で今野さんは「一連の呼称を使う会社は、対価なしに労働者の参加意識だけアップさせ、搾取を強める意図が露骨だと感じます」と発言しています。

よく「自分が行かないと店が回らないから…」と無理なシフトを引き受けているアルバイトの若者がいますよね。間違えなく人も良いし、有能そうだけど、自分の立場が見えていません。

シフトが埋まらないのは、アルバイトである自分の問題ではなく、マネジメントをしている管理者の問題です。それを「自分ごと」にすり替えることで、巧妙な搾取が起こる場合があるわけです。

乃木坂のバイトCMにも違和感

乃木坂の子たちが、バイトルのCMに出演しています。「時給上がりました
!」みたいな内容のCMで、最後はかわいくダンスして終わります。

日本を代表するアイドルグループに所属している彼女たちの中には、アルバイト経験のない子ももちろんいるはずですし、大部分のメンバーは同世代の子たちとは桁違いに稼いでいるはずです。

それでも、コミカルな演出のCMでかわいくダンスなんかされちゃうと、「なんかいいかも」と思ってしまう──これもまた、似たような構造が垣間見えます。

「ちょろい人」にならないように

クルーと呼ばれて、待遇以上の帰属意識を持って働いてしまう。
かわいい乃木坂を見て、アルバイト生活を美化してしまう。

そういう人って、コントロールしたい人たちからすると、うまく利用出来る「ちょろい人」なのかもしれません。

誤解はないだろうと思いつつも念のため断っておくと、アルバイトで稼ぐことが悪いという意味ではないですよ。権力を持つ雇う側が、雇われる側をうまく使おうとしている構造のなかで、イメージアップ戦略にはまってしまうと、雇う側からしたら「ちょろいな」ということになる、という意味です。

こちらは「普通に暮らしてるだけ」「普通に働いているだけ」と思っていても、実施には大きな権力にうまくコントロールされ、支配される側にまわっている場合もあります。一度支配されてしまうと、どんどんコントロールされがちです。ちょろい人にならないように、注意深くありたいです。

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