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おしゃれカフェにはもう飽きました

かつての僕は、筋金入りの「カフェ好き」でした。行きつけのお店もいくつかあったし、新しいお店を開拓することを楽しんでもいました。表参道の朝までやっているカフェとか行ってましたね…。
それなのに、いつの間にか飽きてしまい、おしゃれなカフェに行っても、「まぁ、こんなもんだろ…」みたいに感じがするのでした。

カフェが居場所だった

いくつかの行きつけのカフェがあり、そこが僕の居場所でした。そうはいっても、カウンターに座って店主や常連客と会話したりはしなくて、僕の指定席は大抵テーブル席でした。そこで本を読んだり、仕事をしたり、様々な計画を練ったりしました。

学生時代、お金がないのにカフェにだけは通っていました。そこに行くと、いつもの空間があり、僕のことを認知している人たちがいる。お店の人と一言二言会話して、常連さんには目が合えばにっこり会釈程度。それでも、とても居心地がよかったのです。

でも時は流れ、スタバやドトール系列のカフェ群が溢れるようになると、次第に僕の好きなカフェはなくなっていきました。店主が亡くなったり、廃業したり、再開発がかかったり、理由は様々でした。

色々なカフェに言ったけど、正直似たり寄ったりで、こちらが付き合わされているような感覚になることが多く、もうカフェはいいや…と、近年は淡々とスタバに行ったりしていました。

好きが高じてNPOでカフェ経営

僕が代表をしているれんげ舎では、15年カフェ経営をしました。ささやかな規模のお店でしたが、さすがカフェ好きがつくっただけあって、本当に使い勝手のいいカフェだったと思います。

看板メニューの「瓶詰めプリン」が10種類以上ケースに並んでいて、昼から深夜まで営業していました。ビールやワインくらいは置いていましたが、深夜でも酒場のようにはならず、カフェとして営業を続けました。

拠点が都心に動いたり、事業規模は大きくなったりしたため、愛着のあるお店でしたが、15年やって卒業を決心。このお店はお客様の居場所でしたから、僕にとっては居場所というのとは少し違いました。それでも、店を閉めたことで「やりきった」という思いがありました。

古い喫茶店をふと訪れた

先日、ランチである喫茶店に入ろうとしたところ、満席で入れませんでした。階段を上がって2階にあるお店なのですが、1階の入口に「申し訳ありません、ただいま満席です」という小さな貼り紙がありました。

「あ、きっと良い店だな…」と思いました。

満席のカフェって、すごく忙しいので、貼り紙を貼りに来る余裕なんてないんです。それでも、2階まで上がってきて満席を告げるのは申し訳ないということで、1階の入口に貼り紙を貼りにきていました。今度行ってみよう、そう思って後にしたその店に、もう一度言ったのです。

結論からいうと、すごくよい店でした。枯れた感じで、「この店のルール」だとか「こだわりの店主」だとかめんどうな要素がなく、色々なお客が好きに使っていました。久しぶりに、喫茶店でのんびりと本が読めて幸せでした。最近、週に何度かそのお店に行くようになりました。一人でほっと出来る喫茶店があるしあわせを、久しぶりに味わっています。

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