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(3/13) ”良い違和感”について

日記もどきをを2日書いてみて、自分が書いているものは日記というよりエッセイみたいになっていることに気づいた。自分、論じるのが好きなのかもしれない。まあそれはそれでいいや。

昨日12日は、栄の方でランチがてら、パルコで洋服を見るなどしていたが、United Tokyoというブランドで一目ぼれしたプルオーバーのパーカーがあり、値段は張るものの買ってしまった。ゆるっとした好みのサイジングでありながら、アウターを羽織ってもごわつかない。腕部分のつくりは細身なのである。でも、窮屈になりがちな肘付近はしっかりゆとりをもって作られている。デザインも、黒でありながら、ナイロン素材とジャージ素材の一癖ある切り替え。ほかでは見たことない、これまた一癖ある首元のスナップボタンとジップ。ドンピシャだった。

実際にこの服のデザイン企画にかかわったという店員さんからじかに説明していただき、機能面でもデザイン面でも工夫されたものだと知り、そこに共感してとてもいい買いものができたと思う。

ファッションにはいつから興味を持ったかな、と振り返ってみる。

大学に入ってから、ファッションには興味を持つようになった。最初のきっかけは、大学に入って制服がなくなったことによる必要に迫られて、いやでも洋服を買わねばならなくなったのと、外見をよく見せたいという誰しもが持つ願望によるものである。とりあえず見様見真似で見繕っては着ていたが、最初は消え入りたくなるくらいファッションセンスがなかった。とりあえずジャケット着ておけばいいだろう、みたいな安直な発想で、どこかのIT社長みたいな胡散臭い服装になっていた。それでも、ネットなどで調べておしゃれだとされるインフルエンサーの真似をしていったら、なんとなく無難な恰好はできるようになった。

しかし、その後、今の自分のファションへの重要な転換期があった。

なんとなく聴いたサカナクションというバンドの音楽を好きになってから、いや正確に言えば、さらに深入りしてボーカルの山口一郎さんの考え方を知り共感してからである。山口さんの作る音楽のもつ、彼曰く「良い違和感」というもの。その言葉はとても新鮮な響きとして自分に入ってきた。それは音楽に限った話ではない。山口さん、近年のファッションはとくにその言葉を反映してか、一癖ある、そして日本的なものを好まれることが多いように思う。コムデギャルソン、サカイ、コモリ。マルジェラやロエベを着ていた時代もあるが、やはり今ではギャルソンのイメージが強い。ギャルソンとはコラボもはたしているくらいだ。最初はもちろん、「山口さんの服装がカッコいい、真似したいな」というところから似たような黒っぽい色使いや合わせ方をするようになったが、そのカッコよさの根底にある考え方を知り、「シンプルだけど、”ちょっとだけ”一癖ある(山口さんに言わせればよい違和感のある)服を着る」という自分の今のファッション嗜好が身についた。私の中では、この”ちょっとだけ”がとても大事である。前提として、限りなくシンプルでありながら、ほんの少し、ほかとは異なるデザイン、機能を求めるようになった。

店員さんに聞けば、United Tokyoは日本で作ることに徹底的にこだわっているそうである。今回購入した服も、タグに「Made In Gunma」と書かれていた。店内の試着室は畳が敷かれていて、また置かれている椅子にもすべて畳が敷かれており、イグサは黒く染められているそうだ。徹底的に日本にこだわるモードブランドなのだという。大げさかもしれないが、「良い違和感」を体現した買い物ができた気がして幸せに浸ることができた。もちろん自己満足の世界だけど、つまるところファッションはそういうものなのだと思っている。

一緒に栄に遊びに来て、隣のブランドで洋服を見ていた友達を待つため暇つぶしに入ったが、ふいに良い出会いがあるものだ。

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