【中東アフリカタイムズ】ナイジェリア大学生のリモート授業事情

コロナウイルスの大流行が始まってからこの半年間ほどで、我々の生活は大きく変わった。学校の授業やセミナーはリモートになり、帰省や飲み会もオンライン、仕事はテレワークで出社率を下げたりと、まさに「大リモート時代」である。いきなり多くの変化が求められ、正直戸惑うことも多いが、どうやら戸惑っているのは我々から遠く離れたナイジェリアの大学生も同じらしい。

今日はそんなナイジェリア大学生のリモート授業についての記事を紹介したい。

ナイジェリア大学生がオンライン授業に苦労するワケ

こちらはナイジェリアの新聞社The Punchの記事から。

ロックダウンが続く中で、多くの私立大学では学習を止めないため、様々な取り組みが行われている。ラゴスにあるアンカー大学では教授が主体となって、ビデオやオーディオ教材の導入、Google ClassroomやGoogle Meetの他WhatsAppやYouTubeを使ってリモートでの授業が行われている。

しかしそれら取り組みを学生はどう感じているのか、ラゴスのアンカー大学で104人の学生を対象にインタビュー調査を行ったところ、教授たちの努力とは裏腹に、リモート授業に対して多くの苦悩を抱えていることがわかった。

その原因の多くはリモート授業を受けるのに必要な大量のデータ通信や不安定な電気供給とインターネット回線、そして家族や近所の人たちが周りに居ることで集中できないなど、大学で授業が受けれていれば起こらないものばかりであった。
またそれ以外にも、多くの学生はビデオでの授業それ自体にまだ慣れておらず、集中して授業を受けれないとのことだった。

これまでのオンライン学習に関する調査では、子供の頃からスマートフォンやノートパソコンに囲まれて育ったデジタルネイティブの世代はオンライン学習に対しても適応が早いだろうと言われており、今回それら過去の調査と相反する結果がでたことは確かに驚きである。

これもあまりに急な、そして完全なオンライン学習への移行という予期せぬ事態が起こったことによるものだろう。


オンライン、やっぱり大変だよね

なんでもかんでもオンラインになれば良いわけではないが、たしかにコロナによってオンライン化したことで、効率的になったものはいくつもある。
会社にも毎日通うことはなくなったし、会議はスパッと終わるし、わざわざ集まらなくても顔を見て話しはできるし。

でも個人的には、大学は早く対面授業に、そして全員登校できるように戻って欲しいなと思うのである。
あれほど多種多様な人間が同じ場所で時間を過ごして、目の前の学問に向かいながら雑談に耽る機会は卒業以降はなかなか訪れないし、そういうコミュニティでのやり取りから、ふと学術的な閃きが起こるものだと、私は思う。

世界中の学生がいち早くまた不自由なく学校で授業が受けられるようになることを、願うばかりである。

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