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影響を受けるということは。

晴れた暑い日。バラの赤が壁を薄らと染めていた。
気づかないところでぼくらもきっと何かの影響を受けているのだろう。
いつかどこかで見たドラマのワンシーンだけが、擦っても落ちない小さな染みのように記憶にこびりついている。物語の結末は露ほども覚えていないのに。

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昔だったら考えれらないほどの情報が、日々、目の前を流れていく。
使うタイミングのないライフハック。
作った満足感だけで結局見ないTodoリスト。
誰かの渾身の写真も、気の遠くなるような時間をかけて描かれた絵も。
今しか見れないと持て囃される多くのものは、今が過ぎれば別のものにとって替わられる。リアルタイムで情報を追いかけることは、それほど価値のないことになった。
ぼくはもっと普遍の、場所や時代に左右されないものに染められていたい。

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自分の作り出すものに普遍の価値があるかという自問に答えはなくて。
ただ数え切れない小さな感動がぼくの心に青痣を作り、感動と自覚されることすらない棘がぼくの心に傷をつける。その傷から滲む血がいつまで残るのかなんて考えていたら、形になる前に乾いてしまうから、今日もまたぼくは手を動かす。
影響を受けるとは、どうやらそういうことのようだ。

【お知らせ】
最近、絵を描いているところをInstagramのライブ配信で流しています。色々な方法を試して、これが一番続きそうなので、しばらくはこの形で。良かったらフォローしてください。

月額制のサークル「絵と音楽と花」もやっています。
新作を他よりも早く、ちょっと高画質で載せています。
SNSには載せない製作途中の様子。写真や言葉も見ることができます。
どうぞよろしくお願いします。

新しい絵具を買ってしまいます。