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薪の入手

「ウチの暖房燃料は、薪なんですよ」
 という話になると、ほぼすべての人が、
「えっ、薪ですか?」
 と驚く。スイッチ1つで部屋が暖まるエアコンやファンヒーターが当たり前となっている時代だけに、薪を焚くというのは、よっぽどの酔狂に見えるらしい。
 そして、薪で驚いた人たちが決まって問いかけてくるのが、薪の入手方法だ。
「薪って、どこで手に入れるんですか?」「薪を売ってる店があるんですか?」「薪って高いんでしょ?」
 といった具合に。スーパーで食材を買い求めるように、薪もどこかで買うものだと思っているらしい。
 こうした質問を受けると、
「入手場所や入手方法は企業秘密です」「薪を買ったことはありません」「手間さえ考えなければ、薪はタダです」
 と答えている。そう、薪の入手は別段難しいことではなく、薪はタダなのだ。燃料屋さんとかに行けば、確かに薪を売っている。でも、まともに薪を買っていたのでは、とてつもなくお金がかかり、私みたいな貧乏人では薪ストーブ生活を維持出来ない。
 薪ストーブ(拙宅の場合は暖炉と表現した方が合っているかも知れない)生活を始めて11年、それ以前から薪集めを始めていたので、かれこれ12年ほど薪を集めているが、入手困難となったことはない。むしろその逆で、集まりすぎてしまい薪ストーブ仲間に分けたり、ネットオークションで売るほどだ。
 手間さえ惜しまなければ、薪(つまり燃料)の確保に頭を悩ませることはない。私は埼玉県の熊谷市というところに住んでいるが、中途半端に田舎な土地柄か、半径30km圏内で何年分もの薪を集めることが出来る。
 世間一般では馴染みがなく、目にする機会も少ない薪だが、ちゃんと探せばいくらでもタダで手に入るものなのだ。将来的に見ても、当分は薪の入手に苦労することはないだろう。
 では、どこでどうやって手に入れるのか。、気が向いた時にネットオークションで薪を販売し生活費を得ている身分なので、残念ながら具体的に教えることは出来ない。
 でも、ヒントを出すとしたら、木材の処理に困っている業種からもらっているということになろう。こうした業種の人たちにとって、薪となる木材は産業廃棄物であり、邪魔な存在なのだ。だから、見つけた時に、
「この木を下さい」
 と話しかけると、喜んでもらえる。場合によっては、薪の長さに切る(「玉切り」という)作業や車に積み込む作業を手伝ってくれることもある。掲載した写真は、拙宅から18kmほどの場所で見つけた薪材の山。多くがケヤキで、アカガシ、ムク、コナラが混じっていた。スギとアカマツも混じっていたが、針葉樹は無視。これを全部薪にしたら、軽く5年分はある。これ、全部無料! うひゃひゃ。

 薪の入手にあたって大事なのは、薪材のありそうな地域をこまめに廻って、伐採されたり剪定されていないかを確認すること。意外な場所に、薪材が邪魔者扱いで放置されていることもある。
 どんな場所に薪材があるのか、どんな業者から薪材が出るのか、その要点さえ掴んでしまえば、薪の確保は容易なことなのだ。


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