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散歩記録 物珍しい旋回橋「羽田可動橋」

2回前の勝鬨橋に続き今回も可動橋です。
かちどき橋の資料館での画像が多少出て来ます。

可動橋についての軽い説明と勝鬨橋の記事はこちらから


本編

今回は、大田区の海老取川に架かる「羽田可動橋」を紹介していこうと思います。

軽い構造の紹介等

羽田可動橋は都内で唯一(江東区の新砂水門を含めれば2基)
日本全体で見ても数少ない「旋回橋」構造の可動橋。

かちどき橋の資料館で見つけた可動橋の一覧によると、日本に現存する「旋回橋」の数は何と8基のみ(水門等は除く)。

全国の可動橋を画像付きで一覧にしてあるもの。

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 ※「旋回橋」
というのは橋より高さのある船舶が川を通行するときに
   橋桁(橋の歩道や車道がある道の部分)を旋回させることでそれを
   可能にしたもの。
   詳しくは英文ウィキペディアの翻訳がされている
   以下のリンクをご参照ください。
   アニメーション付きでとても分かりやすいです。

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そんな希少性の高い構造を持つ羽田可動橋ですが
元々は渋滞緩和のための迂回路として設置されたものでした。
しかし、橋の開通後まもなく湾岸線が開通したことで通行量は減少。
実際に使用されていた期間は1990~1998年のわずか8年だけ。


そもそも可動橋、とりわけ旋回橋でなければならなかった理由として

・当時の海老取川沿いでは大型船の通行があったため
 航路の確保が必要だった

・羽田空港が近隣にあるため高さの制限があり跳開橋(例:勝鬨橋)
 のような上下の移動がある可動橋を設置出来なかった。

・すぐ近くにはすでに羽田トンネルがあり諸々の理由で
 トンネルの設置が出来なかった。

等があったそう。

国内でも希少な構造が選ばれた理由が「それしかなかった」
と言うのも中々面白いなと思いました。
(厳密には他にも選択肢はあったかもしれませんが。)


雰囲気、アクセス等

さて、ここまで構造の希少性についてざっと紹介してきましたが
ここからは現地の様子や雰囲気をいくつかの画像と共に紹介していきます。

まずアクセスについて。
最寄駅は東京モノレールの昭和島駅、もしくはバスなら森ケ崎停留所。

駅自体の雰囲気に加え大森東避難橋での眺めや都内では珍しい
小規模水門に架かる道を通行できる呑川水門(階段のみなので徒歩限定。)
などを楽しむことが出来るので、距離はありますが個人的には昭和島駅から
歩いて向かうのがお勧めです。


橋を近くで眺めるには大田区大森南の限りなく端にある
森ケ崎海岸公園に行く必要があるため
鉄道だとどの最寄り駅からでも2㎞程歩く必要があり
余りアクセスが良いとは言えません。

そのためか、休日の昼間に訪れた時でも橋の周囲に人は少なく
精々釣り人が数人いる程度でした。


次に雰囲気ですが、人が少ない場所にひっそりと佇む可動橋
その存在はあまりにも異質です。

写真にすると微妙ですが、川沿いの自然が多い公園を歩いていて
急に現れる途切れた道は不気味ともいえる雰囲気を出しています。

公園の川沿いから見える可動橋の一部。
これだけだと川の上を通っている高速道路か何かに見えるけど

!?

突然途切れる道。

思わず、これでいいのか?
と疑問を抱いてしまいます。

少し離れたところから見ても、バラバラの途切れた道が訳の分からない方向を向いているだけでとてもじゃないけど橋には見えません。


実際、1998年から20年以上動かずにじっとしているものなので
地元の方でもこれが可動橋だという事を知らない世代が出てきているのではないでしょうか。



再稼働することはある?

色々情報を集めているうちにそんな永い事時が止まっている羽田可動橋にも
出番が来るかもしれない という話を見かけました。

詳細は以下のURLにて語られているため割愛しますが
もしかしたらまた橋が動く日が来るのかもしれません。


まとめ

羽田空港からほど近い場所にある、旋回構造の「羽田可動橋」。
何も知らずに通り過ぎれば良く分からない建造物でしかなかったものが
色々調べていくうちにとても珍しい橋だという事が分かり、次に通る時は
もっと近くでまじまじと眺めてみようと思いました。

アクセスこそ微妙ですが、駅から橋までや橋近辺の独特な雰囲気はいつもと違う散歩にぴったり。
ちょっとした散歩の行き先に困ったときは是非訪れてみてください。



おまけ


本編の羽田可動橋と直接の関係はないですが、情報収集の際に見つけた
面白いサイト様を紹介します。

可動橋のすぐ近くに埋まっている羽田海底トンネル建設の際のエピソードを
詳細に見られ、構造などの詳しいことが分からなくても楽しめました。


おしまい。

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