黒塗りの箱と金りぼん【ショートショート】

彼女から包みが届いた。

なんだこれ？
聞いてないぞ

誕生日でもない
記念日か？
えっ、俺、忘れてた？

聞きにくいが、彼女からのLINEはない。

すごく、聞きにくい。

段ボールを開けると
綺麗な金のリボンがついた、
高級そうな真っ黒の小箱。

えっ、本当に俺宛！？
間違えてない？

ミニレターを開けてみる。

ーー
拝啓
って、書いてみたかっただけ。
しめの言葉、わかんないし。
あっ、書くスペースもうないじゃん。
ーー

くすっと笑ってしまった。
結局、箱のこと
書いてないけどな

裏返すと、まだあった。

ーー
寝る前に、必ず開けてね
ーー

寝る前に開けたが、中身は空っぽ
意味がわからん

俺はそのまま眠りに落ちた

「やっと来た！」

彼女が向こうから走ってきた
いや、飛んできた？
巨大なキノコに乗って飛んできた

「箱、開けてくれたんだね！
　毎晩ここで待ってたんだから」

あー、うん、
どこからツッコミを入れるか迷う。

「1週間だけ、夢で逢えるようになるの！」

すごいよね！と屈託なく笑う彼女に
脳内ツッコミは全部流され
俺も笑った

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謹製金星菌性
というテーマのショートショートでした！

謹製▶︎大事に包む
金星▶︎愛の星
菌性▶︎きのこ

というテーマで
大事に包んだ愛のキノコとなりました

解釈も
なんか、ななめな気がするけど、
気にしないことにします笑笑