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サンタクロースは、誰かを思う気持ち、のことかもしれない

サンタクロースの存在を伝えるタイミング
サンタクロースの存在を子どもに伝える場面がきたらどうしたらいいんだろう。
親となった多くのひとが悩むところだと思います。

シュタイナー教育では、9歳、10歳の頃に伝えると良い、と聞きます。

いわゆる「9歳の危機」を迎えた子どもの、それまで世界と一体であった状態から次のステップへの成長をみて伝えるという捉え方で、とても理に適っていると思います。

だからといって私は「9歳になったから、伝えなきゃ!」とは思わなくて。
大人がほんとうにその捉え方を理解して、それが子どもによいと感じて、伝えると決めたとき、参考にしたらいいのではないかなと思います。
そうです、シュタイナー教育では「誰かに言われたからじゃなくて本人がそう決める」ことを大切にしているのです。と自分にも言い聞かせる私です。

とはいえ、実際、9歳、10歳頃に「サンタさんって本当は…」と思いはじめる子どもは多いのではないでしょうか。

そのタイミングで上手に伝えられたらいいと思うのですが、私は下の子のときに大失敗をしました。彼女は9歳になったばかりでした。

私の大失敗
彼女がサンタさんのためにいっしょうけんめい作って、サンタさんへ。と置いていたものがありました。
受けとった私は見つからないように隠していたのですが、たまたま彼女がそれを見つけてしまいました。

「ママ、これ…」そう言う娘に、私は自分が隠しきれなかった残念さのあまり、「ママの棚を勝手に開けないで!」と怒ってしまったのですよ。最悪。そして、
それをとっかかりにサンタクロースの話をしてしまった。本当にダメ母です。

どうして咄嗟に、「サンタさんが忘れていったから、預かっておいたの」とでも言えなかったんだろう。
…いえ、もし、もう少し小さい頃の娘になら、そっちの対応をしていたと思います。

怒ってしまったのは、その事件の前から「ねえサンタさんってママとパパなんでしょ」ということを彼女が言い始め、あ〜もうバレちゃったんだ!まだ知って欲しくなかったのに!という、私のエゴを引きずっていたからに過ぎません。

結果的に彼女は、子ども時代の大きなファンタジーの1つと、よくない形でお別れすることになってしまいました。

さて1年が経ち彼女は4年生に。
きのう突然「まだ、サンタさんを信じてる子の前で話を合わせるのが辛い。ママはあのときすごく怒った」と泣き始めました。あーあごめんよぅ。

私は心から彼女に申し訳なくて、こんな話をしました。

娘に伝えた「サンタクロースの正体」
「Sちゃん、ママね、サンタクロースってね、大事な人に喜んでもらいたいなとか、びっくりさせたいなっていう気持ちのことかなって、今は思ってるねん。
Sちゃんが喜んでくれたらいいなって思って、寝てる間にプレゼント置いたり、してきたんだけど、Sちゃんも、よくママをびっくりさせて喜ばせてくれるでしょ。それは、ママとパパがSちゃんに、大事な人を喜ばせたいっていう気持ちを渡して、Sちゃんが受けとってくれたからじゃないかなあ。

ママもね、おじいちゃんとおばあちゃんに、サンタさんしてもらって、誰かに喜んでもらいたいなって気持ちをもらったんやと思うん。だからやれるようになったんやないかなって思うねん。
Sちゃんが知ってるみたいに、昔、いちばん最初のサンタさんがいて、子どもたちを喜ばせて、そこからずっとずっと伝わってきたんやと思うの。
だから、サンタさんはやっぱりいてるんよ」

サンタさんはいる
これで彼女の悲しみが和らいだかは微妙なところだったんだけど、私が伝えたいのは、サンタさん…目に見えない、人智を超えた存在はいる、ってこと。

人が誰かを思う気持ちは目に見えないけれど確かに在るし、サンタクロースの存在は、それを伝える方法の1つかもしれないと、この事件で思ったのでした(そもそものサンタクロースのおどろしい伝説は、ここでは置きますね)。

でも実際、サンタさんというのは誰かを思う気持ち・・・というのは、あながちズレていないのではと思うのです。
上の子がサンタクロースの正体に気づいたのも4年生頃でした。
そのときは私は、「Sちゃんはまだ小さいから、内緒にしてあげてね。一緒に秘密にしよう。」と、息子にとって、ママと秘密を共有する楽しみに変えました。

妹より5つ年上の息子。毎年、バレないようにふるまうにはお兄ちゃんなりの気遣いが必要だったでしょう。
反抗期で、妹によく意地悪していた時期ですら、サンタさんのことを秘密にする!ってことだけは頑なに守ってくれたのです。

私が娘に最悪の対応をして、娘が泣いているときも、「え、いや、あ〜外国やからな、コロナで来られへんねん。外国にはいてるねんて。」と、必死のフォローをしてくれました。笑

シュタイナー教育では、ファンタジーを大切にするけれど、シュタイナー教育を取り入れていないおうちのママと話していても、「サンタクロースは、子どもにしたらファンタジーだしね、あんまり早くにバラしたくないね」なんて会話がよく出ます。

子ども時代の大切なファンタジー。

ファンタジーを守るために、こっそりプレゼントを準備したり、ヒヤヒヤしながらタイミングを見計らってプレゼントを置く大人たち、ほんとうに素敵だと思う!

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