夢と魔法とみどりのおっさん 第二話
■あなたは真面目に会社に行ってるくちですか
烏帽子田さんについての情報を教えてくれたのは組子さんだった。
組子さんは、半年ほど前に僕の部屋のちょうど真上の部屋に引っ越してきた一家の娘である。学年でいうなら小学五年生のはずだが、彼女はすでに小学校に通っていなかった。彼女は自分の教室をマンションのエントランスホールや、入り口の前にある植えこみの縁の上に設定していた。そして毎日そのあたりに腰を下ろして分厚い本を手にしながら、目の前を行き交う通行人をやる気のない門番みたいに朝か