『人生のカレンダー 「家」の再生の物語(仮)』①
はじめに
この物語りは、双極性障害を抱えた「39歳の女の子」のちかちゃんが、幼児期から壊れたままの「家」を再生するために「人生のカレンダー」をひとつひとつ乗り越えようとカウンセラーの「私」に相談してきた実際の記録です。
私からみると、彼女の「人生のカレンダー」には、「家」を再生するための様々なイベントが書き込まれていました。例えば、大きなイベントとしては「35年間離れ離れだった父親と再会する」であったり、小さいものとしては「近所のおばちゃんからお菓子をもらう」というものまで、具体的な事柄が書かれています。
私の役目は、この様々なイベントを彼女自らの力でクリアしていくために、彼女の話をじっくり話を聴きながら、笑かしたり、そそのかしたり、たまには背中を押したりすることでした。
彼女が再生しようとしているのは「家」です。たしかにこれは家族の物語ではあるのですが、ひいおばあ様のある出来事に発端にあり、この為に苦しんできた代々の家族の連なりとしての家の物語があります。
そして、幼少期の、とっても幼い彼女がひそかに「家」が抱え続けてきた物語りという重い課題を自ら背負うことを決意した瞬間がありました。
たしかに、つねに不安で心細く、誰かに話したところで誰にも理解されず、とてもとてもつらい思いを抱いてきたことでしょう、やがて心の病となり、このことがきっかけで私と話をするようになりました。
私は、彼女の味方になろうと心を決めました。そうすると彼女の「人生のカレンダー」が少しづつ動き出し、大勢の味方が増えていきました。
今の彼女を観ていると、たくさんの味方がいるように見えます。まるで団体旅行の大型バス何台分もの応援団がいると思えます。
しかし、まだ彼女にはある大仕事が残っています。この大仕事を成し遂げるために、もっと多くの応援団が彼女には必要です。
それと、彼女が「人生のカレンダー」を読み誤らないようにするため、やるべき大仕事とは何か、そしてこの大仕事をする意義とは何かを書き記しておこうと考えました。
まだまだ道半ばですから、タイトルに(仮)と入れています。
彼女が豊かに人生を送りつづけ、やがて家の課題を乗り越えられますように。
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