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バイナンスの「資産証明」公開で仮想通貨業界の信頼回復となるか?

仮想通貨取引所のFTXが破綻して、その影響はどんどん広がっています。

FTXが買収予定であったBlockFiも倒産準備を開始。

また、FTXに投資していた多くのファインドが資金難に直面。

仮想通貨業界はかなりヤバい雰囲気が漂っており、信用回復に向けた動きが必要となっています。

そんな中、取引所最大手のバイナンスが新しい仕組みを導入しました。

資産証明とは?

それが「資産証明」です。

資産証明とは英語で、Proof of Reserves (PoR)と言います。

Reserve(=手元資産)のProof(=証明)ということで、「会社が顧客の資産を幾ら保有しているか」を証明するもの

要は、破綻したFTXが勝手に顧客資産を流用していた問題を受け、バイナンスは自身で預かっている顧客資産の「見える化」を始めたわけです。

会社の持つ資産とは別で、顧客資産をどれだけ保管しているかを公に情報開示することにより、透明性や信頼性を高めようとする動きです。

顧客からすれば、PoRにより、会社が勝手に顧客資産を移動させたり、使い込んでいないか、をちゃんと確認できるので非常に安心。

ポジティブな動きであることには間違いありません。

資産証明は機能するのか?

ただ、資産証明を信用するためには、その数字が正しいことが絶対です。

バイナンスは、PoRのデータの要約と検証を行う技術も公開し、PoRデータを細かく検証したい人向けにその方法も解説しており、その努力は評価できます。

更に、バイナンスCEOは、PoRの結果を第三者に監査してもらうことも計画中と発言。

これもホントに重要! 

情報公開といっても、その情報自体が会社によって恣意的に変えられては意味がないですから。

FTXのデタラメな会社運営を見た後では、データというのは外部の専門家が細かく検証したものでないと安心できません。

破綻したFTXは外部監査人の目さえ誤魔化して、資金流用していたわけで・・

危機発生時のための基金も設立

バイナンスは仮想通貨取引所の最大手として、今の業界の状況をかなりマズイと思って色々と手を打ってます。

FTXは自身が発行するFTTというトークンがありました。バイナンスも同じく自身のトークンを発行しています。

もしバイナンス・トークンもFTTと同様に無価値になってしまったらバイナンスも会社存亡の危機に直結しちゃいます。

なのでバイナンスも必死。

バイナンスのCEOは、「資産証明」の開示以外にも、業界復興に向けた「事業再生イニシアティブ」なるものも開始してます。

他の参加企業からも合わせて、総額10億ドル(約1,400億円)の資金を集め、流動性危機に陥った会社の救済のための使う基金とすることを表明しました。

こういった取り組みはユーザーにとっては歓迎すべきものですし、地に落ちた仮想通貨業界の信頼の立て直しに力を入れて欲しい。

不祥事が出るのは仕方がないですが、そこから学習しないと進歩がないですからね。

これからも業界の自浄努力に期待したいと思います。









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