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「危険なロット番号がある」は誤り

[2024/5/4更新]
「危険なロット番号がある」は誤り。納入数が多いロットは報告数も多くなるだけで、率で見れば同じ。初期に率が高くなっているのは、ウェーバー効果や、高リスク(高齢)者の接種が多かったこと等が理由と思われる。

【解説】
納入数が多いロットが副反応疑いの報告数も多いだけである。危険なロット番号として拡散されたEX3617は、納入数が多い分、副反応疑い数も多いだけだとわかる。率で見れば殆ど差はない。
また、接種開始の早い時期に報告数が多いのは、高リスク者から優先接種したことや、新しい薬は初期に報告数が増えるウェーバー効果等が要因と考えられる。例えばEX3617は、ちょうど高齢者優先接種の開始時期に当たる。
一時期、デンマークの研究が危険なロットの根拠とされたが、翌年、同じデンマークの全国規模のコホート研究で否定された。

◼️ワクチン分科会副反応検討部会(2023/10/27)
副反応疑い報告状況https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/001161404.pdf

◾️wakuwaku3氏の記事から引用
報告数の多いロットの接種時期は高リスク者優先接種時期と重なる。EX3617の接種時期はちょうど高齢者優先接種の開始時期に当たる。https://twitter.com/covidacc/status/1681250637575770112?s=46 
新しい薬には初期に報告数が増えるウェーバー効果というものがある。発売直後と発売後数十年のワクチンを比べることも意味はない。https://twitter.com/covidacc/status/1692691509374837168?s=46

藤江氏が言及する他のロットも、同様に率で見れば何ら危険なロットではない。

2023年7月頃、デンマークの研究が話題になり、「ロット番号により危険性が3分類される。危険なロットは回収された可能性がある。安全なロットはプラセボの可能性がある」と拡散されたが、その後のファクトチェックで不正確なデータの扱いが指摘され、2024年1月には同じデンマークの全国規模のコホート研究で否定された。

◾️WILEY (2023/3/30)
ロット番号により危険性が3分類されると話題になったデンマークの研究レター。
“Batch-dependent safety of the BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/eci.13998

◾️HealthFeedback (2023/7/12)
上記の研究レターのファクトチェック
「この研究レターは研究データを不正確に提示しており、報告には訂正すべき多くの矛盾がある」
「調査報告書で報告された有害事象報告の変化は、ウェーバー効果の可能性と一致している」
「このばらつきが安全性の問題によるものであるという証拠は示されていない」
https://healthfeedback.org/claimreview/analysis-adverse-event-variation-pfizer-covid-19-vaccine-batches-doesnt-indicate-safety-problems-contrary-john-campbell/

◾️ResearchGate (2024/1/24)
改めてデンマーク全国規模のコホート研究が行われ、最初の研究レターは否定された。
“Safety of BNT162b2 mRNA COVID-19 vaccine batches: A nationwide cohort study”
「本研究では、初期の少量ロットのワクチンは、それ以降のバッチと比較して重篤な有害事象の発生率が高いという主張を評価する」
「この全国規模のコホート研究により、デンマークで使用されている異なるロットのBNT162b2ワクチンの安全性が再確認された。この知見は、バッチ間で重篤な有害事象発生率に臨床的に関連するばらつきはなく、ワクチンの全体的な安全性を支持するものである」
https://www.researchgate.net/publication/377765744_Safety_of_BNT162b2_mRNA_COVID-19_vaccine_batches_A_nationwide_cohort_study

【追記】
ワクチンの有効性・安全性については自己でご判断ください。当方は、皆さんが正しい情報を基に判断できるよう、デマの指摘に努めます。