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「コロナはRNAウイルスなのにDNA塩基配列だから偽物」は誤り

伊賀 治　デマ撲滅ファクトチェック集

[2023/12/12]
「コロナはRNAウイルスなのにDNA塩基配列だから偽物」は誤り。RNAは逆転写したcDNAの配列を調べるためDNA表記になるだけ。FASTAフォーマットでは慣例でRNAもDNA表記をする。TをUに読み替えればよいだけで偽物ではない。

【解説】
F川氏が主催する「自立と共生全国行脚マイクリレーvol.15(兵庫・尼崎)」で、ハミングバードプロジェクトのM氏が街頭演説したもの。「RNAウイルスなのにUが1文字もない。これはウイルスではない。新型コロナウイルスなど存在しない」と主張したが、誤認識による間違いである。
RNAの塩基配列は、RNAそのものを調べることはできないので、一度逆転写してcDNAにしてその配列を調べる。その為、実際に調べた配列を書くとDNAの配列になる。また、コンピュータで照合する際も、逆転写したcDNAを調べるので、データはDNA表記の方が使い易い。コンピュータで扱えるようにデータ形式が標準化されたFASTAフォーマットでは、RNAであっても慣例でDNA表記をすることが多い。TをUに読み替えればよいだけなので、塩基配列の解釈上の問題は生じない。武漢のゲノム情報はGENBANKに登録されたので、このFASTAフォーマットで表記されている。

◾️デマの元になった動画https://nico.ms/so39699012?ref=other_cap_off

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以下、街頭演説で問題となった部分の書き起こし

「コロナはどこに存在しているんでしょうか。メディアの中なんですよ。先日、たまたまですが、某製薬会社に勤務されていた方とお話することができました。これはほぼ誰も言ってませんが、新型コロナとして最初に書かれた論文にある塩基配列、あれはRNAウイルスであるとされていますが、違います。そもそも違うんです。あの塩基配列、無数の羅列(螺旋？)があります。あれをわかっている人は絶対いる。あれはDNAの塩基配列です。このことを誰も言わない。本当はRNAというものには、UがなければいけないのにUが1文字も無い塩基配列です。これを突きとめることができても、皆さん、身の危険を感じて言えないんです。どうかこのことを拡散して、調べて、皆んなで声をあげてください。ウイルスというのはRNAだと、一本鎖だとどの国でも言っているんですよ。科学的に証明されているんですよ。なのに、今ある新型コロナウイルスはRNAですらない。ウイルスではないということです。科学的にDNAなんですよ。しかも存在しているものではなく、コンピュータで作られたものです。こんなものに振り回されて、皆さんワクチンを打っている。」

◾️FASTAフォーマット
国際的に広く使われている塩基配列やアミノ酸配列の表記形式のひとつ。使用する略号や文字数などが詳細に規定され、コンピュータで扱えるようにデータ形式が標準化されている。
“Formatting your Submission - The GenBank Submissions Handbook”
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK566986/?report=reader&%2F%3Freport=reader
FASTAフォーマットの塩基配列の記号は、IUPAC(国際生化学連合)の命名法委員会で規定されたコードを使用。Tは”Thymine(Uracil in RNA)と記載されている。

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◾️NCBI”SARS-CoV-2”検索結果

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因みに、同様にRNAウイルスであるインフルエンザA型の塩基配列も、GENBANKの登録はDNA表記である。

◾️NCBI”Influenza A virus”検索結果

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