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嫌われ者でも美味しく食べたい2

これは釣りにおける外道(ターゲットではない魚や好まれない魚)を美味しく食べようという話の続きだ。これだけ読んでも良いが、「嫌われ者でも美味しく食べたい」を先に読むことをオススメする。

さて次に紹介する外道は、外道の中の王道(?)ゴンズイだ。釣りをしない人には馴染みのない魚かと思われるが、もう名前から怪しい雰囲気がある。簡単に説明すると海に住むナマズの仲間だ。ナマズだなぁとなる写真を載せておく。

縞模様で20センチほどある。ヒゲもあってナマズ感強め。


写真を見てこれはダメだとnoteを閉じようとしたあなた、まだ早まってはいけない。絶望はこんなものではない。なんとゴンズイには毒の棘が3本あり、刺されると激痛が走る(らしい)。その棘は胸びれと背びれの近くから伸びており、どの方向から触っても刺さってしまう。釣れてしまった時には釣り針から外すだけで命懸けだ。実際私の友人は外す際に毒棘の犠牲となり、しばらくの間ブチ切れながら悶絶していた。

正面から見た図(雑)。赤色が毒棘であるが、その凶悪さは伝わるだろう。魔のトライアングル

しかしこんな嫌われ者のゴンズイも、聞くところによれば良い出汁が取れるらしく、味噌汁にすると非常に美味しいらしい。これは何人かの人から聞いた情報であるためかなり信頼できると判断し、思い切っていきなり生で食べてみることにした。やはり魚を判断する際には刺身が一番だし、刺身で食べることができれば大概の料理に利用することができる。そう考えた私は生きてゴンズイを持ち帰るために、針を除去するためのペンチを片手に近くの漁港へ向かった。とは言ってもゴンズイ狙いで釣りに行ったわけではなく、本命はカサゴだった。それでもあっさり釣れてしまうのが外道の良い(悪い)ところだろう。

あっさり釣れたゴンズイを厚底の靴で押さえ、3本の棘をペンチで抜き持ち帰った。ナマズだけあって体表にはぬめりがあり、なおかつ小さい魚なので苦戦したがなんとか刺身が完成した。味の感想だが、非常に美味。そもそも捌く際にあまり臭いと感じなかったが、綺麗に塩水などで処理したため臭みはゼロ。甲殻類っぽいような身自体の味は、小型のカサゴよりも濃いように感じて良かった。そして脂までしっかりあって大変美味しい魚だった。まだ一匹しか食べていないため、この個体が当たりだったのかどうかはわからないが、ペンチさえ持っていれば次も持ち帰ってみようと思える味だった。刺されるまではとりあえず好きでいよう。

綺麗な薄ピンクの身。脂も味もしっかり。

嫌われ者でも美味しく食べたい3に続く。

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