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「オーディション進行中」

現在、11月公演『さようなら、シュルツ先生』の出演者を募るオーディションをやっている。すでにA日程、B日程を済ませ、残るはC日程。7年ぶりの東京での公演、この6年間の活動休止期間にMODEというカンパニーの名前はすっかり忘れられてしまったのか?それとも約三年間に及んだコロナ禍で東京の演劇状況が変わってしまったのか?はたまたオーディション情報の発信の仕方が今の東京の演劇スタイルに合っていなかったのか?少なくともA日程、B日程共にてんで人が集まらなくって、こんなこと以前はなかったなあ、と思いつつも、猛暑の中、久しぶりのオーディションを楽しくやっている。終了後のビールが美味い。
来週は最後のC日程、ここに来て応募者がやっと増えてきて、ちょこっと喜んでいる。けっこうキャリアのある俳優さんの参加もあり、楽しみである。
オーディションではどんなことをやるのかと言うと、これに関しては三十年くらい前のMODEの初期の頃から、ほとんど変わっていない。私が用意した短いテキストを演じてもらう。ほとんどの場合は戯曲の台詞ではなく、小説などの散文が多い。それをやってもらう。
つまり「内容を頭に入れてもらい、ホンを持たずにいきなり演じてもらう」というやり方。いわゆるワークショップ形式。今回はブルーノ・シュルツの短編小説を3、4本用意して、その場でグループ分けをして、グループ毎に30~40分ほど打合せしたり、軽く流れを確認してもらった後に、場面を演じてもらう。どの場面をどのように演ずるかも、最初は指示をせずにやってもらう。
一度やってもらったら、こんどは設定を変えたり、役を入れ替えたりして、もう一度やってもらう。ほとんどがそんな風に進行するけっこう緩(ゆる)いワークショップである。気楽にやる人、緊張している人、やりにくそうにしている人、私からの指示がほとんどないのでリーダーシップを発揮する人、テキストを何度も読んでいる人、等々。様々である。私はその様子を見ている。それがじつに面白い。MODEでも、公共ホールの事業でも、地方の劇場でも、いつもこんなやり方をして、芝居作りの仲間を募ってきた。今回も同じやり方である。さてさて、どんなメンバー構成になるのだろうか?

松本修 (MODE主宰)

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