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岩崎俊一さんのコピーを考える。「幸福を見つめるコピー」とは?

たぶん僕の一番好きなコピーライターかもしれない。 ではなぜ?岩崎俊一さんのコピーが僕は好きなんだろうと考える。その理由(わけ)を僕はちょっとずつ述懐していきたい。そのコピーに込めた、岩崎さんの”考え”や”思い“について。それを考えるのもまた楽しい。少しずつblogに上げていきたいと思っている。

ADV(広告主)=ミツカングループ本社

岩崎俊一さんは、『幸福を見つめるコピー』の冒頭でこんなふうに述べている。人もまた、弱い生きものである。その思いを抱えながら、ずっとコピーを書いてきた。なぜ、そう思うのか、それはほかでもない、私自身が弱い人間だから、だと。だから一つでも多くの「幸せを見つめるコピー」を目指してきた。

C=岩崎俊一、岡本欣也 AD=芝崎隆哉  .2005

「やがて、いのちに変わるもの。」

食品企業が「いのち」という言葉を使う時、それはその食品をつくっている人たちの並々ならぬ覚悟を感じます。しかもそれは、「やがて変わって」いくんですね。どんな食べ物も、人が生きていくことと同値である。それゆえ、このコピーには、より安全で、安心で、健康で、おいしいものが込められている。

岩崎俊一さんは、広告のコピーについてこんなふうに語っている。それは、「その商品や企業は、あなたが幸福になるために役立つもの」ということを伝えなくてはいけない。そのためコピーは、人にちょっと立ち止まってもらう表現になりたいと思っている。また彼は、コピーは見つけるものだと言っている。

ところで僕は
自分が書いた、安直なただ想像だけの、小手先のコピーは、読み返してみると後でやっぱり恥ずかしくなってしまう。そのコピーがいかに薄っぺらでつまらないかは時間が倍返しで俺に教えてくれる。もっと本当の声に耳を傾け、その思いを真摯に伝えることをしなくちゃいけないなと思った。そしてまた一から、とそういう気持ちでもう一度岩崎さんのコピーを読み返している。

「人は、書くことと、消すことで、書いている。」


C=岩崎俊一、岡本欣也  AD=副田高行
ADV=トンボ鉛筆 .2006

僕は、人生ってやつは大体が失敗の連続だと思っている。だからといってそれがダメでは決してない。(と、自分に言い聞かせている)。失敗から学んでまたトライしたい。コピーだって、たくさん凡作を書いてはボツにして、また繰り返し書いている。それと、消すということは、チャレンジした証でもある。

「コピーとリズム」

コピーだってそう?。いや、たぶんみんなそうじゃないかと思うのが、リズムの大切さである。その時の気分や体調がひょいとよくなると何だかリズムもよくなる。そんな時はコピーだってポンポン出てくる。だからリズムを大切にしよう。ゴールキックをする時のラグビー選手のように、僕はそれにこだわる。

コピーを書く時のことを岩崎俊一さんは、こんなふうに言っている。この商品をどう思いますか。好きですか。という具合に、もう1人の自分にどんどん問いかけていく。すると間違いなく思考が活発になる。そしてそんな自分との執拗なやり取りから、必ず何かコピーの光が見えてくると。C.C.Lemonはどうか?
(つづく)


C=岩崎俊一、岡本欣也 
AD=副田高行ADV=トンボ鉛筆 .2006



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