掘り出し物のビストロ・ドラマ
コロナ禍のころ、こんなドラマが放送されてたんですね。今ごろNetflixでビンジウオッチ。
西島秀俊さんが観察眼抜群で、ホームズばりの推理力があり、なんでもお見通しのフレンチシェフを、濱田岳さんが記憶力が良くて、性格もお人好しという気の良いギャルソンを、ともに好演しています。
西島さんの「昨日、なに食べた?」で培った料理テクニック(というか、料理シーン)がやはり光りますね。コック姿も板についていて、観ているだけで、お腹が空いてきてしまいます。
各話は原作小説の2話ずつを合体させて1話にしているようで濃いめの内容。ただ、決して盛り込みすぎな印象はなく、ほどよさが感じられます。
フランス人の彼がこだわって作った料理はなぜ不味かったのか? 食べられない食材ばかりの男性がなぜ妻の鯖の味噌煮は食べられるのか? プロポーズを受けたかき氷好きの彼女はなぜ姿を消してしまったのか? ブイヤベースばかりを注文する謎の女性の正体は? ショコラティエのつくった新菓子はなぜ個数が素数なのか? そして、ビストロ店名の「パ・マル」の秘密とは?
ちょっとした推理と謎解きがあり、どの話にもフランス料理がからんでいて、それがうまく「隠し味」として効いています。フジテレビも最近、こんな良いドラマつくってるんだなあ。
そうそう、忘れてはならないのが、必ず登場する飲み物「ヴァン・ショー」。いわゆるホットワインにレモンやシナモンをトッピングしたもので、これまた冬にはあたたまりそうでした。
舞台は東京・千駄ヶ谷にあるこじんまりとしたビストロ。ちょうど国立競技場が見える場所にあって、実在しているかのような錯覚に陥ります。本当にあったら、毎日でも通っちゃいそうだなあ‥‥。