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2021-22シーズンのB2を楽しむ3つの視点

久しぶりの更新となってしまいました。例年になく動きの多い今年のオフシーズンについては書きたいことが山ほどあるのですが、まだ編成が固まっていないチームも多いので、まずはリーグ全体を概観するところから始めてみたいと思います。各チームのオフの動きと新シーズンの展望についてはいずれまた。これは1チームずつ書こうと思います。

各チームのブースターの方々にとっては悲喜こもごものこの時期ですが、何よりも選手の編成とそこに込められた意図を考えることが大好きな私にとってはとても楽しい季節です。大して目新しい視点はないでしょうけれど、一応、どんな点に注目して私がオフシーズンの動きを見つめ、新シーズンの妄想をしているのか、3つの視点に分けて書いてみます。

■視点1|Building or ReBuilding

これまでの編成を継続するか、変えるか。まずはここがスタートです。近年、B1昇格を目指すチームは補強が当たり前になっており、有力選手の大量獲得が昇格へのアクセルを示唆するような状況になっています。昨シーズンの群馬や昨シーズンの広島が顕著な例で、どちらもめでたく昇格を果たしました。この方法には賛否両論というか好き嫌いがあるでしょうが、これまでの編成の文脈にこだわっていては昇格なんてできないというある種の覚悟が必要なことは、もはやB2の定説になりつつあります。

このオフでそうした「ReBuilding」の動きを見せたのはFE名古屋です。再契約した選手ももちろんいますが、綺麗さっぱり違うチームになったと評していいでしょう。これについては思うところもあるのですが、それはまた別の機会に。また、実力ある若手選手と再契約を果たし、継続路線かと思われた熊本ヴォルターズでしたが、超B1級の選手獲得によってどちらかと言うとリビルドチームの印象。どんなチームになるのか想像もつかない。

一方で、昨シーズンの路線を継承し、純粋な意味での「補強」によってチーム力を高めようとするケースもあります。その筆頭は福島ファイヤーボンズ西宮ストークスでしょう。福島は昨シーズンに確立したスピーディーで思い切りのいいバスケットボールをさらに追求できる選手獲得を見せています。西宮も13人中10人が継続という恐るべきリピート率。ただ、最後の2枚のカードのインパクトが強烈だったけどね。あとは山形ワイヴァンズも外国籍選手がごっそり入れ替わりそうだけど、バスケットのスタイルの路線は継続しそう。

昨シーズンのメンバーに加えてピンポイントな補強を行った越谷アルファーズ。変化のボリューム自体は大きくはないものの(戦力的にはかなりアップしてるけどね)、一昨シーズンと比べれば全然違う顔ぶれになっているわけで、数シーズンをまたぐリビルドとも言えそうです。

また、選手はそんなに変わらないけれど、コーチが入れ替わるパターンもあって、香川ファイブアローズ・ライジングゼファー福岡・愛媛オレンジバイキングスがそんな感じ。あるいは、仙台89ersのように外国籍選手もコーチもガラッと入れ替わったにもかかわらず、昨シーズンと同じようにしぶとく折れないバスケットをしてきそうなチームもあって、編成方針というのは本当に面白い。なお、青森ワッツはまだ秘密のベールに包まれたまま。

継続的なチームビルディングを大切にして昇格した例と言えば、昨シーズンの信州が思い当たりますが、チームの顔を残しながら昇格を目指す方法はもはや時代遅れなのでしょうか。リーグ全体の傾向を考える意味でも注目したいシーズンになりそうです。

■視点2|Inside or Outsaide

このオフに特有の動きとして、ウィングタイプの外国籍選手を獲得するチームが増えたことが挙げられます。インサイドを主戦場とするビッグマンタイプではなく、シュートが上手くてボールハンドルもできるユーティリティプレーヤー。その最高峰がB1富山のジュリアン・マブンガなわけですが、そうしたタイプが増えたことによって、インサイド主体かウィングからの仕掛け中心かという「Inside or Outsaide」の視点が顕在化してきました。

前のシーズンに比べてアウトサイドの方に振ってきたのはFE名古屋。アウトサイドと言い切っていいかは議論があるでしょうが、ポストプレーからの得点よりも、スクリーンを使ってウィングの選手がボールをハンドルしてオフェンスをコントロールする形が主体になりそうです。熊本は昨シーズンもインサイド主体ではなかったけど、ピークとハミルトンで思い切りウィングで殴るバスケットに振ってきたよね。

西宮も昨シーズンからこの路線だし、外国籍選手3人を全員ストレッチできるタイプに揃えてきた福島も同じ系統。愛媛アースフレンズ東京Z、コッツァーの抜けた香川もそうなのかな。完全にB2の主流になった感があります。

ただ、そうなってくるとバッツのいる越谷のようにインサイドに明確な強みのあるチームは逆に戦い方を明確にできるのかもしれません。特にプレーオフにおいては、確実に点が取れるオプションは貴重です。ミラーとジェイコブセン穴を屈強そうな外国籍選手できっちり埋めてきた仙台も、インサイドで優位に立てそう。両チームの共通点は、昨シーズンのプレーオフでアップセットを演じたということインサイドに核を持っていることが、優勝を占う場面でどんな影響を及ぼすのかも注目したいところです。

■視点3|East or West

B1に比べれば、それほど地区制が話題にならなかったB2ですが、今年は地区分けが優勝の鍵を握ることになるのかもしれません。

FE名古屋が東地区に入ったことで、勢力図が大きく変わりました。越谷、名古屋、福島、仙台のうち少なくとも1チームはワイルドカードを争うことになるわけで、上位シードでプレーオフに進んでもアドバンテージをあまり感じられないかもしれません。

西地区は大幅戦力アップの熊本西宮が首位争いを演じそうですが、昨シーズンからかなり選手の残った香川や実績のある選手を揃えてきた愛媛も虎視眈々と上位をうかがっています。

レギュラーシーズンから気の抜けない東地区と、トップ2の覇権争いが楽しみな西地区。東西対決の勝敗も大きな影響を及ぼしそうです。

開幕から3節の試合日程も発表され、少しずつ開幕の足音が聞こえて来ました。各チームの編成を眺めながらのんびり待ちたいと思います。






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