見出し画像

B2の2021年オフシーズンを占う|PO進出チーム編④|佐賀バルーナーズ

B3から昇格した直後のシーズンでプレーオフ進出を果たした佐賀バルーナーズ。B1最短昇格は叶わなかったものの、立派なB2初シーズンだったのではないでしょうか。ただ、球団社長のコメントを読むと、もっと上を目指していたようでもあって、満足はしていないのかもしれません。そうなると今オフも積極的に動くのでしょうか。お金はありそうだもんね。では、どこが補強のポイントなんだろう。茨城とのシリーズを見直してみたのですが、これがなかなか難しい。

ルイス・ギル・トーレスHCが来季も指揮をとる前提で考えます。このコーチの戦術はかなり高度。特にディフェンスでは、マッチアップゾーンと呼ばれる相手の選手の動きに合わせてゾーンの陣形や参加するメンバーが変わる複雑なもの。当初はもう少し若い選手を加えた方がいいのではと思っていたのですが、この戦術を実践できるレベルの選手しか使いたくないということであれば、若手はなかなか起用しづらいかもしれません。

とはいえ、選手層はもう少し厚くしたいところではないでしょうか。特別指定選手の川真田を除く13人のうち、毎試合ローテーションに入っているのは10人。そんなものとも言えそうですが、ミニッツを厳格に管理し、スパッと替えてくるタイプのギルHCの采配は、時に得点面での停滞が生まれがち。誰が出ても同じレベルの戦術遂行ができるように各ポジションのレベルアップを図り、常にフレッシュな選手がコートに立てるようにしたいと考えていそうな気が。となると、獲得の対象はB1経験者の実力者かつ若過ぎない年齢の選手になってきそう。シーズン前の補強方針と似た路線です。

選手個人に目を向けると、絶対的な存在はやはりガルシア。B1からもオファーがたくさん来そうだけど、ここはなんとか残留してもらいたい。シーズン終盤はコンディションの影響なのか、ポストアップが減り、ディフェンスでのエナジーもややトーンダウンしていたのが気がかりですが。相馬・中西・西・井上らの主力に加えて、今季ブレイクした感のある澁田怜音もキープしたいところです。

外国籍選手はどうするんだろう。ギルHCはビッグマンにもスリーを打たせるのが好きなようで、マルコス・マタはもちろんケニー・ローソンもストレッチしまくって、ポストアップするシーンはほとんど見られません。最初の頃はそれで空いたスペースにガルシアがポストアップして"センター"をやっていたのですが。

チームスタッツを見ると、ORtgは高く(5位)、3FG%も優秀(3位)なのですが、ペイント内の得点が低いために全体のFG%の足を引っ張っている感じがある。中西良太がいるとはいえ、マタにしてももローソンにしても単なるシューターではもったいないので、もう少しインサイド寄りのプレーが観たいのですが、そこはHCの考えなのでしょう。あるいはガード〜ウィング陣にそのスペースを使ってほしいのなら、エースタイプの選手を加えれば伸び伸びとプレーできるかもしれません。

というわけで、今季もビッグネームの獲得に動きそうな佐賀バルーナーズのオフやいかに。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?