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B2|2021-2022シーズン展望#1|福島ファイヤーボンズ

B2各チームのシーズンオフの動きを総括しながら、2021-2022シーズンを展望するシリーズ。第1弾は福島ファイヤーボンズです。なぜ福島なのか? 特に理由はありません。本当は昨シーズンの下位チームからとか、順番を決めてやりたかったのですが、各チームの足並みが全然揃わないので、とにかくロスターが完成したところから。

■2020-2021シーズン

昨季は最初の20試合を13勝7敗と好スタートを切った福島。その要因は速い展開から放たれる思い切りのいいシューティングにありました。スピードのあるガード陣がドライブで切り込み、それに合わせてシューターがコーナーやウィングでスタンバイ。統率のとれたポジショニングと、動いた選手にきっちりパスが出てくる戦術実践度の高さは、観ていてとても気持ちのいいものでした。

しかし、9連敗でつまずくと、ケガ人も重なり、なかなか全員がフルコンディションで揃わず。外国籍選手の入れ替わりなどもあり、終盤はチームとしての形をやや見失ってしまった印象がありました。神原選手の負傷離脱が特に影響が大きかったように感じます。

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■オフの動き

それを踏まえて今オフの動きを見てみましょう。

【IN】
ジェームス・ウォールジャスパー  長谷川智伸  橋本尚明 
水野幹太(新潟から期限付き移籍)  市岡ショーン
ジェイソン・ウォッシュバーン  アレックス・マーフィー
■継続
菅野翔太  村上慎也  神原裕司  友利健哉
【OUT】
鈴木大  ジョーダン・フェイゾン  喜久山貴一 
武藤修平(鹿児島へ期限付き移籍)  マーク・セントフォート
菊地広明
※シーズン途中の退団、特別指定選手は含まず

同じようなタイプの選手が重なり気味だったバックコート陣を整理しながら、B1経験者の長谷川や橋本といった実力者や売り出し中の水野を新潟からレンタルで加えるなどしてアップグレード。昨季手応えを掴んだスピードとシューティングを押し出す戦略のようでいて、ちゃっかりサイズアップを図っているのも秀逸。

昨季のスタートはチリジ・ネパウエもいた外国籍選手の編成は思い切って外へ広げてきた印象。スーパー・マーフィー・ブラザーズだけでなく、7フッターのウォッシュバーンも案外スリー上手いよね。全体的にはシューティングチームではあるものの、実はインサイドを強化しているのが強い。ポストプレーをオフェンスのメインに据えるつもりはないと思いますが、シューターたちが広げ散らかしたコートの真ん中を、ウォッシュバーンがPNRでぶち抜くオプションが加わったのは大きい。

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■今シーズンのロスター

PG|友利健哉  村上慎也  水野幹太  ウォールジャスパー  
SG|神原裕司  長谷川智伸  橋本尚明  山内翼
SF|菅野翔太
PF|マーフィー兄弟 市岡ショーン
C|ウォッシュバーン
※順不同、ポジションは適当です

バックコート過多にも思えるけれど、森山HC兼GMの明確な方針あってこその編成は、自分たちの強みを出力最大化したようで、なんとも言えない凄みがあります。気になっていた平均年齢の高さも、アメリカの大学出身のジェームスくんや地元の星・山内くんらを確保することでクリア。

新しい選手が多いのに、再建の雰囲気がまったくないのは昨季の中心だった村上・神原・菅野がいるからこそ。その土台に、昨季からのアイデンティティであるスピード&シューティングに長け、かつアップグレードされた選手を乗っけると共に、外国籍選手によって多彩なオプションを追加。うん、強いと思う。

森山HCの編成に関するコメントを読むと、ケガ人によってチーム力が左右された昨季の悔しさを晴らすべく、同じ役割をこなせる選手を集めたというのがよくわかります。だからこそ一見偏ったようにも思える編成にも納得感があるのでした。

自分たちの強みを客観的に理解して伸ばし、弱点を埋めるピースは外部から調達。さすがはオーナーが経営コンサルタントだけはあるね。あのオーナーの思想には共感するところがあまり…まあ、この話はいいか。

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■鍵を握る選手
ジェイソン・ウォッシュバーン

バックコートチームだけに仙台や越谷といったインサイドに強みのあるチームとの対戦が今シーズンを左右しそう。ただ、ここでウォッシュバーンがディフェンスで存在感を発揮することができれば一気に東地区を席巻する可能性も。FE名古屋が加わり、段違いに激しさを増した東地区にあっても覇権を虎視眈眈と狙っているはずです。



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