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11.7 vs群馬1|走る前に守る

強豪オブ強豪の群馬クレインサンダーズをホームに迎えた西宮ストークス。いまいち調子の上がらないチーム状況を、1週休みのバイウィークの間に改善できたでしょうか。その試金石としては願ってもいない相手です。と、強がってはみたものの、外国籍選手が全員揃ったことを踏まえると、ここで2連敗するとガタガタっといってしまいそうな不安もある。

ちなみに、この試合は現地で観戦したいと思って体育館まで行ったのですが、当日券が売り切れということですごすごと退散。一応、証拠写真を貼っておく。

【前半】
トレイ・ジョーンズにブライアン・クウェリ、さらにジャスティン・キーナンまで外国籍選手に加えた群馬。帰化枠でマイケル・パーカーまでいるんだもんな。西宮も劉選手がいるので人数的には対抗できなくはないのですが、先発には加わらず。案の定、序盤の群馬は日本人選手とのマッチアップになるトレイ・ジョーンズのところで攻めてきます。今野先輩お疲れ様です。

ジョーンズにそこそこ点は取られるものの、先輩が上手いのはオフェンスの時にオフボールで上手いこと引っ掛けてファウルを誘ったこと。1Qで2つファウルを犯したジョーンズはベンチへ下がります。一方で、ジョーンズがいるとクウェリやパーカーがスクリーナー専門みたいになっていて、それはそれでどうなんだとも思うのは余計なお世話。クウェリは泥臭い仕事を淡々とやっていて、こういう選手がいるとコーチはありがたいだろうな。島根時代はもうちょっと攻めていた印象があるので、そこが物足りなく感じてしまうのかもしれない。

試合間隔が空いて練習時間が取れたおかげか、攻守にかなり整理されてきた感のある西宮。PNRのディフェンスもそこそこ守れているし、オフェンスもピックによるズレを使ってボールハンドラーがアタックする形が自然になってきた。ただし、ディフェンスはやっぱり固い群馬。西宮はコンタクトのシーンでボールをうまく扱えないシーンが目立ちます。それを救ったのは渡邉選手の2本のスリー。立ち上がりに苦しむ嫌な流れを払拭してくれました。

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さて、ジョーンズのいなくなった群馬はキーナンのパワープレーを多用してきます。ハイポストからの強烈なアタックをすべて封じるのは難しいし、気配を消しているように見えてきっちりオフェンスリバウンドには絡んでくるマイケル・パーカー。インサイドで苦しめられますが、それでもファウルをセーブしながらよく守っていた。群馬のミドル以遠のシュートが決まらなかったのもあったけれど。ゾーンディフェンスもそこそこ効いてました。

お互いに2-3ゾーンで守り合う時間帯もあった前半。西宮はベンチスタートの道原選手がスクリーンを巧みに使ってミドルをスパスパと沈めていきます。劉選手も身体をよく張っていた。前半は西宮の方が上手くファウルをもらえていて、フリースローがなんと21本(17本成功)。対する群馬はオフェンスリバウンドが前半だけで14本。どっちも極端な数字だね。中外バランスよく攻め、フリースローももらって効率的な西宮に対して、シュートが落ちても拾って押し込む群馬がなんとか付いていくといった前半でした。

【後半】
3Qに入ると群馬が一気に守備の強度を上げてきました。結果的にこのQで付いた20点の差が試合を決めることになりました。完全アウトナンバーの速攻で、DJがオフェンスファウルを犯してしまい、相手の守備に自信と勢いを与えてしまったのも痛かったかもしれません。

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序盤、渡邉選手がボール運び中に笠井選手にスティールをされるシーンがありましたが、あれこそが逆転劇の呼び水。距離を詰めてスクリーンをかけにくくするなど、スクリーンを多用する西宮のオフェンスを分断。インサイドにボールが渡れば素早くダブルチームに行くなどプレッシャーを強め、シュートが落ちればリバウンドに人数をかけて圧倒し、そこから速い攻めに繋げてどんどん得点を積み上げていきました。その先頭に立つのがパーカー選手であることが多かっただけで、クウェリだって走ってすぐにローポストでポジションを取るよ。

激しく守ってシュートを落とさせ、リバウンドを奪って速攻へ繋げる。こう書くと簡単ですが、それは群馬がリバウンドを制圧していたことと無関係ではないでしょう。前半のORについて触れましたが、これがもしかしたら布石になったのかもしれない。つまり、シュートさえ落ちればリバウンドは取れるわけで、そこからトランジションゲームを仕掛けられる。だったら西宮のシュートが落ちるように守ればいい、そのためにはどうすれば? という感じで、すべて一本の糸で繋がっている。自分たちの強みを活かして勝つための合理的な筋書きが見えてきます。

だから、西宮視点だと「走られた」になるわけですが、それは自分たちがシュートを決められなかったということと同義で、表裏一体の関係です。走るなら守れ。走られたくないならシュートを決めろ。飲んだら乗るな。食べる前に飲む。

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とはいえ西宮もすぐに白旗というわけでもなく、やはりベンチから出てきた道原選手が個人技も駆使しながら何本もシュートを決めてチームを救ってくれていました。そこは西宮の強みでもあって、10点差くらいまではQの中盤には戻せていて、一桁点差なら勝負はわからなかった。実際、4Qは勝ってたし。

このQのオフェンスについて気になったのはムボジ選手。決められるシュートを何本も落として、追い上げに水を差す形に。先ほど書いたように、西宮のシュートミスら群馬の速攻からの得点の「燃料」でもあることを考えると、やはりこの部分は痛かった。ただ、ムボジ選手が孤立するようなケースも多く、そこはチームとしての改善点。ダブルチームが発生すればどこかは空くし、球離れを良くするための動きも必要なはず。そんなにセルフィッシュなタイプでもないだろうし。

【試合のターニングポイント】

3Q 0:20|ムボジ選手のシュートミス

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このQではシュートを外すシーンが目立ちました。大勢に囲まれ中ですべてを決められるわけではもちろんありませんが、せめてあと1、2本決まっていたらどうなったか。特にこの最後オフェンスは、ムボジさんがローポストでキーナンのプレッシャーに晒されながら無理やり打って外していた。で、その後の群馬のシュートが決まって15点差。

ただ、よく観るとトップでデクワンがガラ空きなんだよね。中へ走って合わせられれば楽に2点取れていたはずで、それで11点差。たらればの話ではありますが、道原選手の素晴らしいプレーで悪いなりに試合を繋いでいただけにもったいないシーンではありました。



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