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B2|2021-22シーズン展望#9|越谷アルファーズ

今回は越谷アルファーズを取り上げます。個人的には東地区の優勝候補だと思っています。大補強のFE名古屋や強固な守備の仙台、ライジングチームの福島などライバルは多いですが、昨季からの上積みを考えれば順当。あとはライセンスだけ。

■2020-2021シーズン

長谷川智也、畠山俊樹のB1実力派ガードコンビに加え、さらにアイザック・バッツにクレイグ・ブラッキンズという重量級インサイドコンビを加え、前年から一気にパワーアップ。序盤には群馬に連勝するなど順調な滑り出しを見せました。終盤、8連敗を喫しますが、東地区3位を死守してプレーオフに進出。選手のコンディションが揃わなかったことがその理由でしたが、FE名古屋との激戦を観ると、もしかして調整期間だったのかしら。プレーオフ進出だけなら無理をする必要はない成績だったし。

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終わってみれば35勝22敗の堂々の成績。入り出したら止まらないスリーポイントや、バッツ&ブラッキンズのインサイドの破壊力、淡々と頑張る田村晋、痒いところに手が届く落合知也と、各選手がしっかり役割を果たしていました。一方で、試合を通して観ると、流れを簡単に相手に渡してしまったり、アウトサイドに頼りがちになるシーンも。このあたりは急激なメンバーチェンジを経て、チームづくりの途上を感じさせる部分でもありました。ターンオーバーも多く(リーグ14位)、後述する守備の良さに照らしても、ターンオーバーからや速攻による失点は改善ポイント。

ところで、越谷というと攻撃的なイメージがあるけど、実はDRtgではリーグ3位と守備のチームでもありました。被FG%は群馬や西宮や仙台と比べても遜色なし。リバウンド数は唯一の40本台で断トツの1位。それにはオフェンスリバウンドの多さ(12.4本/2位)も含まれていて、インサイドを中心としたオフェンシブチームのイメージはそこから来ているのかもしれません。だからFG%は全体的にそこまで高くないんだよね。それも、ビッグマンがいるから思い切りよく打てるのだと考えられて、スモールに傾きつつあるここ数年の傾向とは真逆だったりします。

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■オフの動き

さて、そんな越谷の補強ポイントはどこにあるのかと言われると、これがなかなか難しい。その大きな理由はライセンスで、現時点では昇格のための要件を満たしていないため、どうするんだろう。本気で昇格を目指すならば、さらなる補強は必須。歴史ある大塚商会の誇り高き「Bリーマン」たちをどのように遇するのかも注目されるところでした。

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【IN】
松山駿  ソウシェリフ  ブラクストン・ハギンズ
鎌田真(特別指定選手)
■継続
畠山俊樹  二ノ宮康平  横塚蛍  アイザック・バッツ
長谷川智也  田村晋  クレイグ・ブラッキンズ  飯田鴻朗
小林礼秧  落合知也

【OUT】
チャールズ・ヒンクル  鮫島宗一郎  西片翼

※シーズン途中の退団などは含まず

素朴な疑問は一蹴。うん、昇格を目指すんだね。FE名古屋から松山駿とソウシェリフという伸び盛りコンビを獲得し、選手層を厚くしてきました。特別指定の鎌田選手をシーズン最初から加えているのも興味深い。昨シーズンのコアをがっちりキープし、動きは少ないものの純粋にチーム力がアップ。戦力を落とすことなく、出場時間の偏りも解消していけそうです。

個人的にはとてもいい補強だなと思うのは新外国籍選手のブラクストン・ハギンズ。昨季のヒンクルも顔負けのシュート力の高さや自らクリエイトできる点に加え、カッティングのタイミングが上手そうでブラッキンズのパスセンスがさらに活かされそう。中にバッツがいれば外寄りにスペーシング、ブラッキンズがポップしてくれば飛び込んだりと、どんなラインアップでも輝きそうな気がします。

バッツはもちろん、テクニカルコーチの桜木ジェイアールの薫陶を受けて、ソウシェリフはさらに成長しそう。昨季のプレーオフではインサイドを本当に効率よく使っていた越谷ですが、それがさらに進化するのでしょうか。スモールボールやってるチームは覚悟しとこう。

■今シーズンのロスター

PG|畠山俊樹  二ノ宮康平(IL)  横塚蛍  飯田鴻朗
SG|長谷川智也  松山駿  鎌田真 
SF|田村晋  ブラクストン・ハギンズ
PF|クレイグ・ブラッキンズ  落合知也  小林礼秧  ソウシェリフ
C|アイザック・バッツ

※順不同、ポジションは適当です

二ノ宮選手が戻ってくれば、畠山とのタイムシェアでPGのローテーションはぐんと楽に。両方ベテランだしね。そして何と言っても松山。てっきりB1に行くのだと思っていたのですが。得点もアシストもできるスウィングマンは、年齢層の高い越谷のバックコートに若さという武器ももたらしました。

ただ、よく見ると面白いロスターだよね。長谷川も松山もハンドルからプレーメイクできることを考えると、ハンドラーとビッグマンがやたら多くてウィングが薄いんだ。田村選手も登録的にはPFだったりして、大きいか小さいか、どっちかしかダメなのか。ウィングポジションに外国籍選手を置くチームが増える中、これは非常に個性的な編成と言えます。

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とはいえ、ブラッキンズはもちろんスリーまで打てるし、落合もソウも外寄りでプレーすることはできる。反対にガード陣はシュートはもちろんドライブの得意なコンボ系ばかりで、ちょっとなんかすごいことになりそう。中から外へ、外から中へ、ポジションが目まぐるしく入れ替わりそうな今季の越谷のオフェンス。そこにバッツがいる安心感。シュートが入らない日はバッツ先生によろしく頼もう。

自らの強みを存分に発揮する戦い方だけでなく、高さと大きさを活かして相手の弱点を突くこともできる。「逆張り」が成功すれば、リーグのトレンドはまた動くのかもしれません。


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