B2|2021-22シーズン展望#12|佐賀バルーナーズ
12チーム目は佐賀バルーナーズを取り上げます。ものすごい勢いでB3から昇格してきたわけですが、B3時代やチーム設立時はよく知らず、そのため昨季との比較や印象ばかりになることをあらかじめお断りしておきます。それだけ勝ち進むスピードが速かったってことさ。
■2020-2021シーズン
B3から昇格した初年度でしたが、B2の先輩チームを次々と破り、まさしく気球のようにぐんぐん上昇。シーズン中盤まで西地区首位を走ります。チームの原動力となったのはPGのレイナルド・ガルシア・サモラ。抜群のバスケットセンスと当たりの強さでガンガン中へ侵入し、エンドワンを奪っていく様はB2にはこれまであまり見られないものでした。
その脇を固めるのは生粋のスコアラーである相馬卓弥、ミドルも正確な日本人ビッグマンの中西良太、スピードあるドライブが武器の西裕太郎に、強心臓の若手PG・澁田怜音。外国籍選手は中でも外でもプレーできるケニー・ローソン、シューターのマルコス・マタと個性派ばかり。振り返ればタレントは揃っていたわけで、昨季の躍進は不思議でもなんでもなかったわけだ。
勝率5割以上のチームとの対戦が増えた後半戦も、15勝15敗のイーブンで切り抜け、西地区3位でプレーオフに進出。1回戦で茨城に敗れたものの、昇格初年度としては堂々の成績だったと言って良いでしょう。
■オフの動き
B1最短昇格を目論んでいただけに、足踏みをすることになったこのオフはどう振る舞うのか気になっていました。さらにアクセルを踏むべく補強を行うのか、一旦落ち着いて実力を蓄えるのか。
【IN】
石谷聡 ファイ・パプ月瑠 駒水大雅ジャック 岸田篤生
ギャレット・スタツ マイルズ・ヘソン
■継続
レイナルド・ガルシア・サモラ 西裕太郎 山本郁也 德川慎之介
井上諒汰 鈴木龍雄 中西佑介
【OUT】
相馬卓弥 中西良太 澁田怜音 小松秀平 川真田紘也
マルコス・マタ ケニー・ローソン
※シーズン途中の退団などは含まず
再契約を果たした選手が多く見えるものの、主力がごっそりいなくなってしまいました。昨季の出場時間上位4人がみんな移籍しちゃったよ。おまけにヘッドコーチとアシスタントコーチ2人まで他チームへ。なんかちょっと切ないね。
とはいえ、下を向いているわけにはいきません。編成としては名実ともにガルシアのチームになったと考えていいでしょう。昨シーズンは選手たちの能力を活かした華やかなオフェンスを展開していましたが、悪く言えば序列がはっきりしないところもありました。厳密にミニッツを管理するギルHCの方針からガルシアの出場時間も25分に抑えられていましたが、1試合平均18.7点はチームハイ。USG%がむちゃくちゃ高いわけでもなく、アシストも平均で5.8本と、まだまだスタッツを伸ばせそう。
その他の選手については何らかの傾向は感じられず、移籍によって足りなくなったところをピンポイントで埋めていった感じでしょうか。新外国籍選手のマイルズ・ヘソンはシュート力が持ち味のウィング。キャッチ&シュートだけでなくドリブルオフからでも確率が高そうで、ガルシアがいない時間帯のインスタントスコアラーとしても有能。スクリーナーにもなれるようなので、ガルシアや西との相性も良さそうです。
■今シーズンのロスター
PG|レイナルド・ガルシア・サモラ 石谷聡 岸田篤生 山本郁也
SG|西裕太郎 鈴木龍雄 德川慎之介
SF|井上諒汰 マイルズ・ヘソン 駒水大雅ジャック
PF|中西佑介 ファイ・パプ月瑠
C|ギャレット・スタツ
※順不同、ポジションは適当です
いや、ガード多すぎないか? でも、ギャレット・スタツやファイ・パプ月瑠といった汗かき屋がいるから、せっせとスクリーンをかけて、リバウンドを拾ってくれるのかもしれない。ジャックくんもいるし。
ガードが中心になって点を取るチームはB2には少ないので、せっかくなら思いっきり振り切ってほしい。このメンバーでスタツのポストプレーとか見たくないよ。昨季の豪華メンバーから打って変わってやや小粒な印象になっただけに、シンプルなバスケットボールの方が戦いやすいはずですが、宮永新HCはどのような志を掲げるのでしょうか。
■鍵を握る選手
西裕太郎
ガルシアにマークが集まるだけに、セカンドエースの役割も重要になってきます。その筆頭は西選手でしょうか。昨シーズンは少し出場時間が短くなっただけに、本人にも期するものがあっての再契約でしょう。ガルシアとのツインハンドラーで、コンボガード同士が引っ張る個性的なチームが誕生すれば、大成功なんじゃないかな。
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