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2021.10.16|香川@越谷|強豪への階段

昨季のライジングチーム、香川ファイブアローズは今季もスタートから絶好調。チームの成長曲線に沿った的確な補強が功を奏しているようです。4連勝で乗り込むのはアウェーの越谷戦。こちらは東地区の優勝候補という押しも押されもせぬ強豪。果たして香川もその仲間入りを果たせるでしょうか。

しかし、試合は終始越谷ペース。後半は勝っているし、スコアだけを見れば香川も健闘したと言えるかもしれませんが、越谷がミスをすれば点差が詰まり、シュートが決まれば離されるという展開が続きました。

確かに香川にとって戦いづらい相手ではあります。工夫して守ってはいるものの、バッツにボールが渡ればほぼ2点だし、ブラッキンズを含め「幅」があるのでスクリーンプレーで簡単にギャップをつくられてしまう。そのユーザーが長谷川や松山や畠山だからね。ボールが回る回る。サイズの差は如何ともし難いものがありました。

香川は速攻を出したいんだけど、なかなかリバウンドが1回で取れないから気持ちよく走ることもできない。2Qの中盤で追い上げた時はリース・バーグがよく走っていたけれど、これも結局は越谷のシュートミスを速攻に繋げたものでした。ハーフコートオフェンスではコーナースリーを多投していましたが、これが思うように決まらず(全体で27分の7、ウッドベリーを除くと23分の4)。オープンもたくさんあったので、あと2〜3本決まっていればまた違う試合になっていたのかもしれません。そう、自分たちの形はつくれている。後はそれを決めるだけ。でもそれが難しくて、点差という結果に繋がるんだよね。香川はとてもいいチームだと思いますが、「強さ」の中身を考えさせられるような試合でした。

それでも4Q、粘る香川にやはり越谷のミスが絡んでビッグウェーブが訪れます。ここで覚醒したのが大黒柱ウッドベリー。相手のコンテストを物ともせずスリーを沈め、一時は同点に持ち込みます。もうさすがとしか言いようがないわけですが、攻めているのがウッドベリー1人だとね。4Qに得点した26点のうちウッドベリーが18点。FGもウッドベリーと残り全員でちょうど半分ずつ。スリーに至ってはウッドベリー以外は誰も決めることができず。だいたいチーム全体でフリースローが5本ってなんだよ。土壇場で顔を出したのは、ウッドベリー頼みというこれまで何度も観た形だったわけです。

まあ、ある意味これは香川にとって「チームとしての形」であって、ことさらに悲観するようなものではないのかもしれません。実際、勝負どころでウッドベリーに託すのは理に適っているし。ただ、最後の最後でアンガス・ブラントがウッドベリーのドライブから目を切ってしまったのはなんだか象徴的で、どこかウッドベリーや兒玉に任せてしまうような意識はなかったか。チームが変わるって難しいよね。でも、それではいつまで経ってもシンデレラチームのまま、強豪への階段は昇れないと思うのでした。



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